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現在アメリカが将来の宇宙開発として目標としてる2030年代の有人火星探査について、実際に行われる前段階で火星の衛星フォボスへの有人着陸が行われる計画があるとのことです。

ロシアの宇宙関連メディア『Космическая лента』によると、NASAのジェット推進研究所が提案している火星有人探査計画の一環として、火星の衛星「フォボス」への有人着陸を行うという非公開の計画があると報じています。

НАСА рассматривает возможность совершить высадку на Фобос

記事によると、 火星有人着陸を含む計画として2033年にはアメリカの宇宙飛行士は火星の周回軌道に到達する必要があると指摘しており、その間に衛星フォボスを使用し火星着陸に向けたハードウェアの最終的な試験が行われるとしています。この計画では2039年に火星有人着陸が行われるとしています。

これらフォボスに着陸する着陸船は何れも火星でも使用する機器が使用されるとのことで試験を行うことで火星への有人着陸の成功確率を高めることができると考えられているそうです。


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火星の衛星フォボスは火星表面から僅か6,000km以内を公転している衛星で『太陽系内で最も主星に近い衛星』と知られています。またフォボスは火星の静止軌道より内側を公転しており火星の自転スピードよりも速いため1日2回、火星から見ると西から上って東へ沈み11時間後に再び上る軌道を公転しています。

フォボスの大きさは最も長いところの直径が27km。月よりもはるかに近い軌道を回っていることで火星からも肉眼で確認できるとされています。

▼地球の月と比較したフォボスの見え方
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Image credit: NASA/JPL-Caltech/Malin Space Science Systems/Texas A&M Univ.

フォボスは火星の重力に捕らわれた小惑星と考えられており、密度が非常に小さいことから氷と岩石の混合物から構成されていると考えられています。