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『転んだ老人がいても助けてはいけない』。中国ではよく言われることなのですが、これを知らなかったのか2人の小学生が老人を助けた結果、逆に訴えられていた件について裁判所は老人の訴えを退けたと報じられています。

中国メディア「新快報」は昨年3月28日、中国・広東省広州市で道路で転倒した老人を助けた2人の小学生とその保護者が訴えられていた案件について老人の訴えを棄却されたと報じています。

70代女性を助けた小学生2人組、女性から訴えられる=裁判所の...:レコードチャイナ

この事件は当時、帰宅途中の小学生2人が歩道を横断していたところ後ろを歩いていた老人が転倒。これを見た2人の小学生は道の端まで老人を連れて行きその後、親を呼んで病院に運ばせたというものです。(この時の治療費は親側が支払っています)

ここまでは『老人を助けた小学生』と美談になりそうなのですが、その後はあまりにも醜い事態に発展します。
なんと老人は「小学生が自分の前で悪ふざけをしていて、それが原因で転倒した」と言い始めます。さらに「仮に小学生と親が善意で私を助けたいならば救急車を呼べば十分だった」としており、「病院に運ばれたその日、親は賠償について積極的に私と相談したものの監視カメラの映像が不鮮明と知ったことで関与を否定し始めた」と主張。

一方親らは「老人との相談は警察の仲介で行われたものでそもそも老人が主張しているような過失があったとは思っていない為、話がまとまらなかった」と述べ、「当時老人を助ける大人は誰もおらず、子供に感謝すべきだ」 と主張。
結局話し合いでは解決できず老人側は広東省広州市の裁判所に小学生2人とその保護者を訴えました。

裁判では現場の監視カメラ映像が証拠として提出されたのですが、映像からは老人が主張する『小学生の悪ふざけ』の結果転倒したとは言えず、また老人が『治療費を支払った小学生の親が“子供の過失を認めた”為だ』とする理屈についても否定されました。


まさに『恩を仇で返す』とはこの事なのですが、中国では老人が助けた人物を訴えることが多発しており、中には助けた側が多額の賠償を言い渡され自殺に追い込まれるなどの有名な事件が存在しています。