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今月12日夜に発生した中国天津市の大規模爆発について先日、青酸ガスが複数箇所で検出されたと報じられていましたが、緊急対策本部は「われわれは検出していない」「他人の想像を止めることは不可能だ」などと否定していたことが明らかになりました。

Record Chinaによると19日午前に行われた緊急対策本部の記者会見で、猛毒の青酸ガスが検出されたとの報道について「報道後に我々も独自の調査を行ったが、危険な物質を検出することはなかった」などと発言したことについて報道各社から反発があり一時会場が騒然となる出来事があったと報じています。

<天津爆発>神経ガス検出報道を当局が全面否定、環境保護局...:レコードチャイナ

記事によると、青酸ガスが検出されたとする報道があったのは中国国営の中国中央電視台(CCTV)が18日夜のテレビ番組で「シアン化ナトリウムと気体の青酸ガスが検出された」と北京公安消防総隊の副参謀長の発言を紹介したものが元となっています。

これを受け翌日、19日に開かれてた緊急対策本部の記者会見では『青酸ガスが検出された』ということに注目が集まっていたのですが本部の部長は「環境保護局の調査項目に神経ガスは含まれておらず、これらの調査は軍が行っている。この報道後に我々も独自の調査を行ったが、危険な物質を検出することはなかった」と話題になっていた『青酸ガスの検出』を否定しました。
さらに「他人の想像を止めることは不可能だ。各メディアは報道する際に、情報の出どころを明確にして欲しい」と口にしたことで一斉に記者が「出処はCCTVだ」などと反論を始めたといいます。

これを知らなかった本部の部長は「昨日(18日)は深夜の12時まで会議をしていたので見る時間がなかった」などと答えたところで記者会見の生中継は中断されたとのことです。


ただCCTVの『青酸ガスが検出された』という報道については、8月17日に行なった調査(当サイトの記事)で検出されたものを副参謀長が述べたものであり、心配された雨により青酸ガスが発生すると言われた18日以降のものではありません
この点について緊急対策本部側と記者側と齟齬があったものと考えられるのですが、何れにしても「危険な物質を検出することはなかった」という発言は事態を隠蔽していると採られてもおかしくない発言になりました。