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アメリカの科学誌『サイエンス』に掲載された論文によると、これまで学術誌に発表された100件の心理学研究についてその再現研究を行なったところ論文と同じ結果が得られたものは僅か4割り程度しかなかったことが分かったとのことです。

【8月28日 AFP】人がどのように行動したり思考したりするかに関する科学的研究は、外部専門家らによる研究結果の再現が不可能なものが多いとの研究報告が27日、発表された。心理学研究の信頼性に関する新たな疑問を浮上させる結果だという。

AFPBB News
哲学をルーツにもつ心理学。文字だけだと『とっつきにくい分野』なのですが心理学とは「心や行動を科学的な手法で研究する」というもので、身近なものであれば恋愛、犯罪そして教育も含まれるそうなのですがアメリカの学術誌3紙から2008年に掲載された100の論文について同じように再現を行なったことろ大半が再現不可能な内容だったと報じています。

記事によると、再現研究を行なったのは外部専門家らで組まれた270名からなるチームで、再現の対象となったのは社会生活や交流、知覚、意識、そして記憶などの分野です。

再現不可能な研究結果があまりに多すぎる結果について研究チームの論文共同執筆者によると「研究者らは主要学術誌に定期的に発表する必要があることから、自説に都合の良いデータだけを選び出されたり見栄えの良くなるような内容に変更され発表されたのではないか」という趣旨の主張をしています。

また、サイエンス誌の編集主任を務める人物(心理学者)は今回の研究結果について、「落胆させられた」としたうえで「原著論文の実験結果の多くに関してそれほど信頼を置かないようにするべきということだ」と話しているそうです。


実際のところ他の分野でも再現不可能な研究が数多くあるのではないかと思ってしまうのですが、今回心理学がターゲットになった理由については書かれていません。