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高い薬から安い薬までその価格はどの様につけられたのか私達は知るすべはありませんが、アメリカのとある製薬会社はこれまで販売されていた薬の価格を突然55倍に値上げし大きな批判を受けているとのことです。

Technobahnによると、Turing Pharmaceuticalsという製薬会社は最近、エイズ治療薬の「Daraprim」について製造販売していた権利を取得したうえで、この薬1錠につき13.5ドル(1,600円)から750ドル(9万円)に突然値上げを実施し国内で批判を受けていると報じています。

米製薬会社の若き経営者、AIDS治療薬をいきなり50倍の値上げ - Technobahn

この会社のCEOを務めるMartin Shkreli氏によると、これまで(およそ60年間)価格が安かったのは「元値で販売を行なっていただけだ」と述べ、価格の値上げは「製薬会社として利益を上げる必要があった」などと主張しています。また、エイズ感染者の治療に支障をきたすのではないかという意見については「値上げ後の販売価格であってもエイズ治療薬としては比較的安価なものに属する」と正当性を主張しているとのことです。

▼1錠9万円(1箱30錠入 270万円)に値上げされた薬
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Daraprim (ピリメタミン)はトキソプラズマ症などの感染症用に1953年に治療薬とて認可されたもので、日本では認可されている薬ではありません。エイズ患者の多くはトキソプラズマ症を発症しこの薬自体はWHOでは「死活的に重要な薬」の1つとしてリストに加えているものだといいます。

ちなみに、この薬を服用しなければならない病気になった場合として55倍に値上げされた価格で1年間服用したとなると体重60kg以下は33万6000ドル(4,040万円)、体重60kg以上では63万4500ドル(7,629万円)ほどかかるとのことです。