火星の水

29日未明、米航空宇宙局(NASA)が行った特別記者会見にて火星の地表に液体の水が流れている証拠を発見したと発表しています。

火星に関する「重要な科学的発見」を発表すると数日前から予告していたNASAなのですが、日本時間9月29日未明に行われた特別記者会見で火星に現在も水が存在し、それが地表を流れているという決定的な証拠をみつけたと発表しました。

これは太古の火星には水があったというこは間違いないとされていたのですが、一方で現在はどうなっているのか分からないとされていたものの、今現在も火星に地表(主に斜面)で水が流れ続けているという内容です。


NASAによると、観測は火星軌道を周回する『マーズ・リコネッサンス・オービター』により行われました。結果、火星斜面にできた黒っぽい模様を分光計を使って観測したところ、このエリアから水の分子を含む過塩素酸塩や過塩素酸マグネシウムが見つかったとしています。またこれら物質は黒く模様が付いているところのみ確認され、それ以外のところはでは見つからなかったとしています。
火星では過塩素酸塩を含んだ水は、-70度~20度前後まで液体の水として存在することができるそうです。(ただし火星における水の沸点は10度)


火星の斜面には川のような模様がいくつも確認されているのはご存じの方も多いと思います。NASAによるとこのような模様はかならずしも液体の水により地形が侵食されたものではないと説明しています。
具体的には川のような模様の先端付近が広がっていないこと、つまり明らかな扇状になっていない形状をしていることが特徴としておりこれらは『ガリー』と呼ばれドライアイスが転げ落ちて作られた跡としています。
NASAはこれまでもガリーが生じている斜面にドライアイスと考えられる固まりが冬季から春先にかけ徐々に大きくなる様子を確認しているとのことです。

▼ドライアイスにより作られたとする跡(ガリー)
火星のガリー

▼新たに作られたガリー
火星のガリー_1