アリ

アリというと役割が決まっており何か巣全体が人間社会とよく似た構造になっている、などと言われることがありますよね。しかし、働きアリを観察した研究者によると9割以上の働きアリはまともに働いていないことが分かったとしています。

アリといえばチームワークのイメージですが、働きアリとは名ばかりで、実はまったく働いてない働きアリが圧倒的大多数を占めることがアリゾナ大学の最新の調査でわかりました。

Gizmodo 
アメリカ、アリゾナ大学の研究チームは北米の主に西海岸側に生息するというアリ「Temnothorax rugatulus」を対象に働きアリの行動に関する研究内容を発表しました。結果、大半のアリはほとんど働いておらず、よく働くアリは全体のわずか2.6%だった事がわかったとしています。

研究では研究室に5つの蟻の巣を用意。全てのアリを識別できるよう色を付け2週間、1日あたり6回それぞれ5分づつ全ての行動を観察しました。
分かったこととして働きアリとされるタイプのうち71.9%は観測した5分間は怠けたような動きを見せ、残りの25.1%に至っては1度も働こうとはしていなかったといいます。そして、私達が想像する『よく動く働きアリ』は余った2.6%にすぎませんでした。

「観察していない時間に働いていなんじゃないの?」と思ってしまうのですが、研究者によると時間外にもコッソリと観察を行っており、怠ける働きアリというのは24時間1日中怠けていたとしています。


同様の研究はこれまでも報告されており、例えば北海道大学が行った研究によるとほとんど働こうとしないアリは全体の2割程度、特に熱心に働くアリは1割にも満たなかったとしています。またこちらの研究では働きアリに仕事を与えたところ全体の1割が怠けていることが分かりました。その怠けるアリのみを取り出し仕事をさせた結果、またその1割が怠けるという法則のようなものを発見しています。

研究者によると別の見方をすると『よく働くアリに仕事をとられのんびりしているように見える』ともしており、怠けるアリが一定数いるのは「群れの全員が働くと、同時に疲れ切ってしまうので、誰かが休んで余力を残しているのかもしれない」と考えを示しています。(参考)