タイタンII

1発で都市を破壊できる威力のある核兵器。現在は抑止力として、また切り札として配備されている兵器の一つなのですが、過去アメリカでは核ミサイルの修理中に落下したスパナによりミサイルが炎上、爆発し核弾頭が飛び出す事故を起こしていたことはご存知でしょうか。

地下のミサイルサイロに埋められ命令が下されば即座に発射できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)。これはタイタンIIと呼ばる1962年から1987年まで配備されていた二段式の液体燃料ロケットのお話です。

1980年9月19日、アーカンソー州に配備されていたタイタンIIはこの日、ミサイルのメンテナンスが行われいたのですが作業にあたっていた19歳の若い空軍兵士が誤ってスパナを落下させてしまいました。作業はサイロの底から20mの高さで行われていたとされ、落下したスパナ(一部はミサイルの部品も一緒とされる)は核弾頭を搭載したミサイルの第一弾燃料タンクに命中してしまいました。これにより毒性の強い酸化剤、四酸化二窒素 (N2O4)が漏れだすという事故に発展します。

現場ではこのような事故に対応する装備が無かったのか、対応しきれなくなりサイロの全員が避難を開始。その後空軍から専門部隊が到着したものの極めて危険な状態になっていたとされ事故からおよそ9時間後に爆発します。これによりミサイルサイロを閉じ込める頑丈なコンクリートの蓋が破壊されタイタンIIの再突入体を含む核弾頭が吹き飛び200mほど離れた地点に落下しました。

▼爆発があったミサイルサイロ
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この時飛び出した核弾頭は総重量2,800kg、W53という水素爆弾で核出力は9メガトン。これは広島型原爆の600倍の威力のあるもので爆発地点から半径5.87km圏内の人はほぼ即死、14km圏内ではほぼ全ての建物が破壊され32km圏内の人はやけど致命的な傷を負うというもになっています。

▼W53の元となったB53核爆弾の試験
B53

事故では起爆するまではしなかったものの、この事故や過去にも発生していた燃料漏れに対する安全性の問題から引退が早まりその後は固体燃料を燃焼させるミニットマンという大陸間弾道ミサイルが配備が進められました。 

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