ロシア連邦宇宙庁(ロスコスモス)は2010年から使用しているソユーズTMA-Mの発展型となる『ソユーズMS』について今後の打ち上げ計画を発表しました。
ロシア連邦宇宙庁は2015年11月14日、2016年中の「プログレスMS」補給船や「ソユーズMS」宇宙船などの打ち上げ計画を発表した。現在宇宙に人を打ち上げることができる宇宙船はロシアのソユーズ宇宙船と2013年6月以降打ち上げられていない中国のソユーズ宇宙船の亜種、神舟宇宙船があります。ソユーズ宇宙船については現在国際宇宙ステーションへ飛行士を送り込むことができる唯一の宇宙船となっており、日本やアメリカの宇宙飛行士もロシア側にお金を払い打ち上げを行っています。プログレスMSはロシアの新しい補給船で、外見には大きな変化はないものの、ISSとのドッキングに使うセンサーが新型になり、また無線システムやアンテナも新型に、スペース・デブリや宇宙塵からの防護パネルも改良…略
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さて、今回打ち上げスケジュールが発表されたのはソユーズシリーズでも最新型となるソユーズMS(ПРОГРЕСС-МС)です。この宇宙船は2010年から運用されているソユーズTMA-Mの発展型となっており、その見た目はほとんど変わらないものの超小型衛星を搭載できるコンテナ区画が追加されなど現代のニーズにあった宇宙船となっているそうです。
記事によると、まずソユーズMSの派生型となりほぼ同じ構造の無人補給機『プログレスMS』を2016年3月に打ち上げ、3ヶ月後の6月21日に有人ミッションとしてソユーズMSが打ち上げられます。その後交互にプログレス補給船、有人のソユーズを打ち上げるそうです。
▼ソユーズMS
ソユーズ宇宙船の歴史
ソユーズ宇宙船は元を辿ればアポロ宇宙船と同じように宇宙飛行士を月面に送り込むことを目的に開発されたもので、無人のソユーズに関してはアポロ宇宙船よりも早く月を周回させることに成功しています。その後、月着陸レースに敗北してからは地球周回目的で開発が進められ様々なバリエーションのソユーズが開発されています。▼ソユーズ7K-OK
その初期型ソユーズ7K-OKというタイプは1967年から71年まで運用されたものの、その出来は「欠陥だらけだった」といわれるほど酷いものでソユーズ1号の初有人フライトでは地球帰還時にパラシュートが開かずウラジーミル・コマロフ宇宙飛行士が死亡しています。
その後ソユーズ7K-OKの改良型ソユーズ7K-OKSが開発されたものの1971年6月ソユーズ11号が帰還時に空気漏れが発生。自動着陸には成功するもののゲオルギー・ドブロボルスキー、ウラディスラフ・ボルコフ、ビクトル・パツァーエフ宇宙飛行士の3名は既に死亡していました。
しかしこれ以降、現在に至るまで40年以上1度も死亡事故は発生しておらず(一歩間違えば地球に返ってこれなくなるなど危険な状態に陥ったことあった)、ソユーズ宇宙船は過去のスペースシャトルよりも有人宇宙船としては最も安全で経済的であると高く評価されています。
▼国際宇宙ステーションとのランデブーらかドッキングまでの撮影された早送り映像