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世界初の民間宇宙旅行を目指すヴァージン・ギャラクティックは衛星打ち上げ事業に進出するため大型旅客機B-747を使用した空中発射型ロケットの開発計画を発表しているとのことです。 

Technobahnによるとヴァージン・ギャラクティックが発表した内容として、ジャンボジェットで知られる大型旅客機B-747型機を空中発射型ロケットを打ち上げる母船として使用する計画を発表しています。

Virgin Galactic: B747を使用した空中発射型ロケットの開発計画を公表 - Technobahn

記事によるとジャンボジェットを使用した衛星打ち上げについて、既に旅客機本体の調達は済ませており初打ち上げは2016~17年に、現在の設計によると国際宇宙ステーションが周回している低軌道に対し120~200kg程度の人工衛星を1000万ドル(約12億3000万円)で打ち上げることができるとしています。

「今からジャンボジェットの改修に入り来年ロケットを打ち上げるのは時間的に難しいのではないか」と思ってしまうのですが、実はこの手の旅客機の一部にはターボファンエンジンを4基+1基を搭載できる特殊な機体が製造されています。これを「5th Pod」などと呼ばれているそうでエンジンの輸送用に旅客機が使用されているそうです。
公開されたCGイラストでは 「5th Pod」の位置にロケットが搭載されていることからこれでほぼ間違いないと考えられます。

▼5th Pod ってなぁに? - グルメ刑事の空日記より
5th Pod

空中発射型ロケットに関しては有名なところでは同社のスペースシップツーもそれにあたり、他には同じく旅客機から打ち上げるオービタル・サイエンシズの母機「スターゲイザー」とロケット「ペガサス」、開発中の機体としてはストラトローンチ・システムズの母機「ロック」とロケット「サンダーボルト」があります。(参考)

空中発射型ロケットの利点としては通常の滑走路と機体から構成されている為、通常のロケットのような打ち上げの度にメンテナンスが必要な発射台を必要としないことや飛行機で発射位置を変更できるためミッションに応じた柔軟な打ち上げを行えること、また空気抵抗が少なく既に時速900km前後という勢いが付いているため比較的小型のロケットであってもより高い軌道に人工衛星等を送り込むことができます。

同社によると世界中どこでもインターネット接続を可能とするサービスを計画するOneWebから衛星打ち上げを受注しており今後これだけで39回の発射を行うとしています。

▼ペガサスロケットの打ち上げ