褐色矮星

太陽系内にある惑星で太陽から最も遠くを公転している惑星は海王星ですが、宇宙の中にはこの海王星よりも21倍ほど遠くを公転している惑星があるのはご存知でしょうか。今回は新たに発見された惑星について紹介していきます。

米国ハワイで開催されたエクストリーム・ソーラーシステムズIII(Extreme Solar Systems III)という学会で12月2日に発表された研究によると、地球から約300光年の彼方にある惑星系の巨大惑星HD 106906bは、他の天体との重力相互作用により外縁部にはじき出されたものであることが明らかになった。

NATIONAL GEOGRAPHIC
地球から300光年離れた位置にある惑星系HD 106906はこれまで発見された惑星系の中でもっとユニークな惑星をもつことが明らかになりました。なんとこの惑星系には恒星より975億kmも離れた位置を公転している巨大惑星を持つというものです。

HD 106906b

どのくらい離れているのかという点についてわかりやすく表現すると太陽と地球が1mの距離にあるとして海王星は30mほど離れている計算になるのですが、HD 106906bについては恒星から650mの位置を公転しているというものです。実はこの距離がこれまで観測された惑星系の中で最も恒星より離れた位置を公転している惑星であることが分かりました。

どのような理由で離れてしまったのか、有力な説としては元は恒星から近い位置で誕生したものの同時に作られた他の惑星の重力の作用により遠くに運ばれてしまったというものや、または別の恒星が近くに接近したことで軌道が乱されこの位置に運ばれてしまったと考えられているそうです。


私達太陽系でも実は木星はもっと太陽系の近くを公転しており火星くらいの距離にあったという説(参考)があり、太陽系をはじめ惑星系が生まれ間もない頃は惑星同士の衝突や軌道を変えてしまうなど大激変があったことがわかりつつあります。