USS Freedom

海外メディアによると、米海軍は『沿海域戦闘艦(LCS)』という新型艦船の試験航行を行っていたところエンジンが故障し急遽帰港していたと報じられているそうです。

米海軍に関するニュースを報じているNavy Timesによると、アメリカ海軍のフリーダム級沿海域戦闘艦という新型艦に関してこの3番艦となる『ミルウォーキー』の試験航行について予定を切り上げて急遽帰港していたと記事にしています。

米海軍の最新鋭艦、試験航海を切り上げて急遽帰還・就役後20日でエンジンが全損した疑い - BusinessNewsline

海外の軍事系メディアによると、『ミルウォーキー』は就役後20日あまりかけ試験航行が行われていたものの、今12月11日エンジンが完全停止してしまい曳航される状態で母港となるサンディエゴ海軍基地に帰港することになったとしています。
BusinessNewslineによると米海軍の発表として問題のエンジンはオイルフィルターに微細な金属片が詰まっていたことが分かったとしています。この金属片に関してはエンジンが損傷し発生したものと考えられており今後詳細な調査が行われるとしています。



フリーダム級沿海域戦闘艦はCODAG(コンバインド・ディーゼル・アンド・ガスタービン)というディーゼルエンジンとガスタービンにより稼働するハイブリッド仕様のウォータージェット推進となっておりガスタービンエンジンとディーゼルエンジンはそれぞれ2基、2系統が搭載されています。そのため主系統が破損した場合にも運用可能な仕様になっていると言われているものの今回はバックアップへの切り替えは行われなかったとされています。

沿海域戦闘艦

駆逐艦よりも小型のフリゲート艦にあたる艦船で、文字通り沿海域の浅い海域での戦闘を担当します。この新型艦が製造された理由としては米海軍これまでイージス艦のような高戦闘力・高コストの艦艇を前線に配置していたものの陸地から近い沿海域では例えば小型高速のボートを使用した自爆攻撃や安価で射程の短いミサイル等で高価な艦船に大きな損害が与えることができるという、所謂 『Cheap Kill』が懸念されていました。

そこでストリート・ファイター・コンセプトが生まれ誕生したのがノースロップ・グラマン製の『フリーダム級』とジェネラル・ダイナミクス製の『インディペンデンス級』沿海域戦闘艦です。

▼インディペンデンス級沿海域戦闘艦
インディペンデンス級沿海域戦闘艦

沿海域戦闘艦は低コスト化を図る一方、大型艦と同等のデータ・リンク装置を搭載しており、前線で活動するための航空、水上、水中で活動可能な各種無人機、大射程の兵器、高機動・高速性の動力とステルス性を高めた船体などをすべてを備えた理想的な戦闘艦となっています。