万里の長城

中国を代表する文化遺産として万里の長城はあまりにも有名ですが、実は現存する万里の長城について全体の3割にあたる1,960kmが既に消失していると中国メディアが報じています。

中国メディア『新浪』は中国版ツイッター微博で伝えた内容として、明代(1368−1644年)に造られ比較的状態が良好な長城でさえその3割が既に消失していると報じています。

万里の長城、明代に築かれた3割消失=中国ネットは皮肉であふ...:レコードチャイナ

記事によると、時代によって幾つかある長城のうち明代の長城は総延長8,851kmあります。このうち自然の地形を利用した長さがおよそ2,000km前後で、残りの6,200kmについては人の手によりレンガを積み上げ作った壁になるのですがその1,962kmが既に消失しているとしています。

消失の原因は自然現象と人為的な破壊とのことです。

長城

万里の長城の人為的な破壊は以前から伝えられており昨年7月にも中国メディア『大河網』が3割消失しているという記事を掲載しています。記事によると『人的破壊』の1つとして近所の住民らが万里の長城に使われているレンガを抜き取り自身の家を建てる行為が確認されていると報じられていました。


長城の保護として2006年に北京市政府はレンガを持ち去ったりレンガに名前を掘るなど落書きを行なった場合200元(約3,450円)の罰金を設けています。しかし目立った効果はなく別の案として偽の万里の長城を建設し999元(約17,250円)でレンガに書き込めるというサービスを実施していました。また2014年からは長城に落書き用のホワイトボードを導入されたものの、ニュージーランドメディアによるとこのホワイトボードは遺産に直接釘具付されるという程度の低さだったと言われています。

中国政府によると従来長城の総延長8,851kmとしていたものの2012年までに行われた調査で総延長は21,196kmで現存する人工的な壁は6,260kmと発表しています。