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ロシアは長らく使用してきたソユーズ宇宙船に代わる次世代宇宙船を開発しているのですが、その名称について一般投票を行ったところ『ガガーリン』が最も多かったとしています。

ロシア連邦宇宙庁は2015年12月25日、ロシアの次世代宇宙船「PTK NP」の名称を決める、一般投票の結果を発表した。
 
この企画はロシア国民を対象に12月4日から23日にかけて行われていたもので、「フィディラーツィヤ」(連邦)、「ガガーリン」(人類初の宇宙飛行士)、「ローディナ」(祖国)、「ズヴィズダー」(星)…(略)

sorae.jp
ロシアが開発しているのは『PTK NP』、Wikipediaなどでは『PPTS』という次世代宇宙船です。開発が始まったのは2009年頃で2021年にこちらも新型ロケット、アンガラA5Vにより打ち上げられる予定です。

この宇宙船については『ソユーズ』などという名称がついておらず、ロシア連邦宇宙庁は12月4日から23日にかけロシア国民を対象に10個の名称から候補を選ぶ投票が行われました。

「フィディラーツィヤ」(連邦)
「ガガーリン」(人類初の宇宙飛行士)
「ローディナ」(祖国)
「ズヴィズダー」(星)
「リーディル」(リーダー、指導者)
「ガラークティカ」(銀河)
「ミール」(平和)
「ザディアーク」(黄道帯)
「アーストラ」(ギリシア語の星)
「ヴェークタル」(ベクトル、ベクター)

『ズヴィズダー』や『ミール』などこれまでも使われている名称があり混乱するようなものまで候補となっていたようです。
記事によるとロシア連邦宇宙庁の発表として1位は「ガガーリン」(1万389票)、2位は「ヴェークタル」(4866票)、3位は「フィディラーツィヤ」(3604票)となったとしており、特に問題がなければ次世代宇宙船の愛称は『ガガーリン』になると考えられます。

▼PTK NPのモックアップ
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PTK NPを開発しているのはS.P.コロリョフ ロケット&スペース コーポレーション エネルギア(RKK エネルギア)というソ連時代からロシアの宇宙開発を支えた設計・製造会社です。当初、次世代宇宙船は欧州宇宙機関(ESA)と共同開発する話が進められていたものの2009年にロシア連邦宇宙庁はクルニチェフ国家研究生産宇宙センターより旧ソ連時代の宇宙船『TKS』を発展させた次世代宇宙船の提案(後のPTK NP)を受けており共同開発から脱退。結果的にロシアが単独次世代宇宙船の開発が進められました。

▼PTK NP内部(モックアップ)


宇宙船の具体的な使用として、定員は最大6名で国際宇宙ステーションなど低軌道に6人と500kg未満の荷物を同時に打ち上げることができます。また月や火星などの探査ミッションも行えるようになっておりこの場合は最大4人と100kgの未満を搭載することが可能です。
地球を含め他の天体へ着陸できるよう『足』も備わっており着陸の前に逆推進をかけ軟着陸できる設計で回収し再使用できる宇宙船となっています。