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昨年、ドイツのフォルクスワーゲンで発覚した重大な排出ガス規制不正問題が大きな話題となりましたが、実はこの問題について2011年の段階で当局は不正を認識していた可能性を示す資料が存在することが明らかになりました。

欧州連合(EU)欧州委員会の研究機関が2011年に、自動車各社のディーゼルエンジン車について路上走行時の排ガスを測定したところ、EUの排ガス基準を満たした車両はなかったとする報告書をまとめていたことが分かった。ドイツ有力誌シュピーゲル(電子版)が1日報じた。 

産経ニュース
『室内で行う試験と実際に路上で行う試験でNOx(窒素酸化物)の放出量がそれぞれ異なる』というフォルクスワーゲンがインストールしていたという不正ソフト問題について、欧州委員会の研究機関は2011年の段階で少なくとも認識していたことを示す資料が出てきたという記事が掲載されています。

驚くのは2011年に認識していたということだけではなく、当時無作為に抽出された10車種についてフォルクスワーゲンと同様の不正行為を示すデータが示されており、この全車種については欧州の基準値を超える数値となっていたという内容が書かれているそうです。


この資料を見つけたのは昨年12月中旬に組織された欧州連合欧州議会です。この組織は『問題発覚以前に試験時にだけ排ガス浄化機能をフル稼働させる違法ソフトウエアが使われたことを認識していたか、使用を防ぐための十分な措置を取ったかといった点を調べる』としていたのですが、この核心をつく資料が1ヶ月もしないうちに出てきたようです。

今後は「欧州委員会は事実を知っていながら今まで黙っていたのではないか」ことに調査が進められることになるのですが、全貌が明らかになるのはま時間を要するようです。欧州連合欧州議会によると今年6月にも暫定報告をまとめるとしています。