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暖冬と言われているものの朝晩は随分と冷えますよね。そこでエアコンやストーブで部屋を温めている方も多いと思うのですが、なんと海外ではPCやスマホに搭載されている同類の『CPU』を使用しスマートに部屋を温めるという興味深い製品が開発されているそうです。

パリに本社を置くQarnot Computing社が開発した「Q.rad」という製品です。これは『分散コンピューティング端末型ヒーター』というもので例えて言うならば研究機関が処理しきれない膨大なデータをインターネットを使用しデータを送信し、そのデータを受信・演算したのち処理結果を渡すというものになります。ここで『演算』を行う端末が「Q.rad」になります。

Qarnot’s Q.rad reuses computing heat to provide warmth to rooms - SlashGear



スマホやPCも同じように「Q.rad」が稼働中の際はCPUから激しい熱が出ます。「Q.rad」には8コア4GHz駆動のCPUユニットを3基搭載しているらしくこのCPUを冷却するためみなさんの部屋や家の冷たい空気を利用させてもらうという製品になります。暖房能力としては26.5~55畳の広さの空間を暖められるとしています。

▼Q.rad 部屋を暖める以外にも無線LANやギガビットイーサネット、USB充電ポート、ワイヤレス充電を搭載しているとのこと。
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ここでいくつか疑問が出てくると思うのですが、その疑問は十分に配慮されています。まず電気代です。記事によるとこの端末について処理にかかる一切の電気代はタダです。もちろん電気代はご家庭に請求がいくものの、同社によると端末ごとにメーターが設けられ使用した電気代は全てユーザーに還元するとしています。また「CPUファンが爆音でしょ!」という心配もあるのですが、この端末はファンレスなので部屋においても騒音はほぼゼロとのことです。 

同社によると一般家庭への提供開始は2017年ということで将来的にこのようなスマートヒートが部屋を温めるという第三のヒーターが設置されるような時代がくるのかもしれませんね。