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パソコン向けのCPUを製造している最大手のintel。他にはAMDというメーカーがあるのですが、最近AMDはフォルクスワーゲンの不正ソフトインストール問題と重ねるようにintel製CPUを批判する動画を公開したのですが、 ネット上の反応はイマイチの様子です。

PCを選ぶときにマシン性能を比較・検討することはごくごく普通のことであり、中でも使用したときの「体感速度」は重要な要素の一つです。この「体感速度」を推測するための指標として「ベンチマークソフト」が大きな役割を果たしていますが、半導体大手のAMDが、ライバルIntelのマシンと比較実験を行って、ベンチマークソフトの出す結果のおかしさを糾弾するムービーを公開。その中で、排ガス逃れのための不正プログラムを仕込んでいたことが世界的に大問題となっているフォルクワーゲンを例に挙げています。

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今回AMDが公開したintel製CPUを批判する動画はどのようなものかというと、パソコンの性能として重要な『CPUの性能』についてその測定を行う一般向けソフト、いわゆるベンチマークソフトの結果が挙げられることが多いのですが、AMDはIntel製CPUは特定のベンチマークソフトでは性能が高く見えてしまうということがあり、『このベンチマーク結果はフォルクスワーゲンの排気ガス不正問題と同じだ』などと主張しているものです。



動画ではベンチマークソフト『SYSmark 2014』『PCMark 8』で比較されています。AMDによると同じ環境でそれぞれCPU性能を測定したところ、SYSmark 2014ではAMD製CPUに比べintel製CPUは50%ほど性能が高いと示されました。一方、PCMark 8は7%ほど性能が高いというだけでした。
合わせてAMDはより一般的なワード、エクセルでの体感差としてOfficeスイートでのワークロード時間を測定したところ、PCMark 8とほぼおなじ6.7%の差に収まったとしています。


一見、AMDの主張とはあたかもintelが何らかの不正を行っていると印象を与えるのですが、ツイッターなどの反応を見る限りでは逆にAMDが批難される結果になっているそうです。

具体的に、まず今回のテストではAMD製CPUはintel製CPUよりも処理が遅く、自ら性能が悪いことを示していることです。また、AMDは『AMD FX』というハイエンドモデルの8コア(とも思われる)で演算している一方、テストに用いたintel製CPUは『Intel Core i5』というハイエンドモデルではない4コアモデルでテストされている点も指摘されています。

もちろんこの手のCPUのベンチマーク結果はハードウェア関連のメディアではよく取り上げられるもので複数のベンチマークソフト、そして実際のゲームに付属するベンチマークソフトを利用し測定したものが公開されています。そのためAMDが言うようなあたかもフォルクスワーゲンが不正ソフトをインストールし、その性能を欺き当局や消費者を騙すようなことはintel側は一切行っておらず、AMDの主張というのは完全に的外れと言えます。

ちなみに、AMDは自称8コアCPUとしているものが実際には4コアに過ぎず消費者を欺いているとして消費者から集団訴訟を起こされています。(参考)