ブルーオリジン_1

大幅に打ち上げコストを削減するためロケットの一部もしくはそのほとんどを再利用する案がありますが、アメリカのブルーオリジンは1度使用したロケットを使い再び宇宙船を宇宙に送り込むという人類史初の偉業に成功したと発表しています。

sorae.jpにとると、アメリカの民間企業ブルーオリジンは1月22日(現地時間)、昨年11月に宇宙船ニューシェパードを宇宙へ送り込んだロケットを再利用し、再度宇宙へ送り込む試験に成功したと報じています。

ブルー・オリジン社、一度飛行したロケットを再度打ち上げ、宇宙に到達させて着陸させることに成功 | sorae.jp : 宇宙(そら)へのポータルサイト

記事によるとこの今回の飛行ではロケット本体は『カーマン・ライン』という宇宙と定義される地上100kmを超える高度101.7kmまで上昇し先端に搭載した無人の宇宙船を切り離すことに成功しました。その後。宇宙船はエアブレーキを展開し減速しつつ着陸。宇宙船本体もパラシュートを使用して地上に帰還したとしています。垂直ロケットとして再利用されたケースは史上初になります。

ただ、再利用にあたりコストはどのくらい抑えることができるのか、再利用された部品は全体の何%なのかは明らかにされていません。



ブルーオリジンはネット通販でお馴染み『Amazon.com』の設立者ジェフ・ベゾス氏により2000年に立ち上げられた宇宙ベンチャー企業で再利用できるロケットと6人乗りの宇宙船を使用した宇宙旅行を計画しています。また同社が開発したロケットエンジン「BE-4」はアメリカで広く使われているロケット「アトラスV」に換わる新型ロケット「ヴァルカン」のメインエンジンに採用が決定しています。(参考)



ブルーオリジン

今回打ち上げられた宇宙船は『ニューシェパード』とよばれるもので、円錐形宇宙船が垂直ロケットの先端付近に搭載されています。スペックとしては3~6人が搭乗できるとしており、近い将来宇宙旅行計画に使用されます。

安全性については、まだ未知数なのですが仮にロケット本体のエンジンが停止や打ち上げ時に不具合が発生した場合は宇宙船に搭載されている固体ロケットを2秒間ほど作動させ本体と切り離しされ地上に帰還するようになっています。(動画)

ロケット本体にスペックについてはBE-3という液体酸素と液体水素を燃焼させる推力偏向ノズル付きのエンジン1基が搭載されており、宇宙船を切り離した後はロケット本体上部についている『傘』のようなエアブレーキを展開し減速しつつ地上に降下、再度エンジンを燃焼させ軟着陸するシステムになっています。