ヴァルカンロケット

アトラスロケットに換わるアメリカの大型ロケットを開発しているユナイテッド・ローンチ・アライアンスは、搭載するメインエンジンを開発しているエアロジェット・ロケットダインについて担当者が『プアガール』などと発言したことをうけこの担当者が引責辞任したと報じられています。

アメリカでは軍事衛星など米政府が運用する人工衛星の打ち上げを主に担当しているアトラスロケットに換わる新型ロケット『ヴァルカン』の開発が進められています。このヴァルカンを開発しているのはULA、ユナイテッド・ローンチ・アライアンスなのですが搭載するメインエンジンについて技術担当者が失言をしてしまい引責辞任することになったと報じられています。

ULA幹部、「Blue Originはスーパーリッチガール、Rocketdyneはプアガール」発言で引責辞任 - Technobahn

ヴァルカンの第一段エンジン、つまり打ち上げ時に使用する大出力のエンジンについて ベンチャー企業ブルーオリジンが開発している「BE-4」になるのか、それともエアロジェット・ロケットダインの「AR1」になるのかは正式に決定していませんでした。
しかし、「ブルーオリジジンはスーパーリッチガール、ロケットダインはプアガール」などと例えたこと、ULAでは既にブルーオリジンに決定したかのような表現になったことが2重の意味で問題視され引責辞任ということになったと考えられます。
ULAのCEO トニー・ブルノー氏は今回の騒動を受け「この発言は公式見解ではない」とコメントしています。

新型ロケット「ヴァルカン」



アメリカで開発が進むヴァルカンは早ければ2019年にも初打ち上げが実施される大型ロケットで、従来とは異なる一部再利用型のロケットとなっています。

ヴァルカンロケットのメインエインジは燃焼終了後ロケット本体から切り離され大気圏に再突入させます。その後、パラフォイルで滑空している時にヘリコプターで空中キャッチし基地に持ち帰りメンテナンスされ再利用されます。これにより新たにエンジンを製造するよりも9割りのコスト削減が見込めるとULAは主張しています。