FALCON9FT

アメリカの民間企業スペースXによると先日ドラゴン補給船を打ち上げた強化型ファルコン9ロケットについて、至上初の船への着艦試験に成功したと発表しました。ドラゴン補給船は国際宇宙ステーションに向け飛行しており打ち上げも成功しています。

4月8日(アメリカ東部標準時)、ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられたスペースXの強化型ファルコン9ロケット『ファルコン9 フルスラスト』の打ち上げについて、再使用を目的とした第一段ロケットの回収に成功したと発表しました。

ファルコン9の洋上着陸試験は今回で4回目で過去3回の試験では進入速度や角度、足が十分に固定されなかったなどの理由で転倒しいずれも失敗していました。



2015年12月22日に行わた人工衛星を打ち上げ発射場へ再び戻ってくるという陸上への着陸試験は成功していたのですが、今回初めて波で揺れる船体への海上着陸を行うという史上初の偉業を成し遂げました。

スペースXはロケットの打ち上げコストを削減するため第一段ロケットを回収し再利用するという計画を進めており極めて重要な成功と位置づけらると考えられます。
試験ではロケットは地球を周回せず“行って返す”という方法がとられており、陸上への帰還では距離のの関係で噴射時間が長くなってしまい燃料消費も多くなることから今回のように発射する方向となる大西洋上に展開させた無人船に着陸させたほうが燃料消費効率がよいという利点があります。

▼以下は洋上着陸を行うCGイメージ


今回の成功を今後どのようにつなげていくのか。仮に本格的に再利用が行われうようになった場合、桁違いの低コストのロケット打ち上げが可能になるとも言われており、商業打ち上げを行っているJAXAを含む各宇宙機関には脅威となる存在になることは間違いありません。