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ドイツ紙によると、2014年4月に発生したフランスのフェッセンハイム原子力発電所の冷却水漏れ事故について、実際はただ水が漏れではなく主電源喪失状態に陥りさらに制御不能と連鎖的に進展していったことが明らかになりました。

BusinessNewslineはドイツのSüddeutsche Zeitung(南ドイツ新聞)は2014年4月9日、フランスのフェッセンハイム原子力発電所で重大事故が発生していたスクープとして報じています。記事によると、この事故は『冷却水漏れ』としてレベル1の事故に位置づけられているのですが、実は当時説明されていたものよりも深刻で過去ヨーロッパで発生した原発事故の中では最悪レベルのものだったとしています。

仏フェッセンアイム原発、2014年の冷却水漏れ事故は主電源喪失の重大事故だった可能性 - BusinessNewsline

この日、貯水槽への取水ミスにより冷却水漏れが発生したといいます。この冷却水が大量に漏れたことで主電源が喪失することになり連鎖的に原子炉を制御する中央制御室でのコントロールが不能になるまで事態進展していたとしています。
結果的に通常の冷却系が作動しなくなったとされ緊急炉心冷却装置『ECCS』という複数ある冷却系を代わりに作動させ燃料棒が空焚きになり燃料棒が損傷するという最悪の事態を免れたとしています。

東日本大震災後、フランスでは同原発について国内で最も古い原発であり老朽化が指摘されたものの、2011年7月に安全性を見直すことを前提に「廃炉の妥協性は無い」と判断され2021年までの運転継続が認められていました。しかしこの事故以降、1号機と2号器の廃炉が決定したらしく再稼働していないそうです。

また、最近の話題として同原発では原発停止による雇用確保などの理由から原発敷地内にテスラ・モーターズの電気自動車を生産する工場の招致要請を行っていたことがが明らかになっています。フランスは原発エネルギー依存度の割合を75%から50%に低減させることを目標にしており、テスラの電気自動車工場を建設することで再生可能エネルギーの推進とエコの看板役にしたいという思惑もあると考えられます。