B330_1

アメリカのビゲロー・エアロスペースは膨張式モジュールを使用した大空間の宇宙ホテルを2020年までに打ち上げると正式に発表しているとのことです。

Sorae.jpによると、ビゲロー・エアロスペースとデルタやアトラスロケットを開発運用しているユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)は、宇宙ホテルとしても利用可能な新型膨張式宇宙ステーションを2020年に打ち上げると発表したと報じています。

「宇宙ホテル」施設が2020年に打ち上げ。一生に一度は泊まりたい! | Sorae.jp : 宇宙(そら)へのポータルサイト

この膨張式宇宙ステーションとは先日国際宇宙ステーションに向け打ち上げられた ビゲロー膨張式活動モジュールことBEAMを更に拡張した20倍の体積がある『B330』(BA330)というモジュールです。ビゲロー・エアロスペースによると、これを2基打ち上げドッキングさせ各種実験を行う宇宙ステーションとして、そして私達一般人も利用できるよう宇宙ホテルとしても運用を考えているそうです。

▼B330のモックアップ(女性はNASAの職員)
B330

B330は仕様として20~23トンの重量になるとしており、膨張後のサイズは長さ14m、直径6.7mになります。使用されている素材は先日打ち上げられたBEAMとほぼ同じでベクトランという新素材でケブラー繊維の約2倍の強さを持つ素材を複数重ねることで、従来のような金属製モジュールに匹敵またはそれ以上の強度を確保しています。

B330 1基あたり6名の滞在に対応できる環境制御生命維持システムが搭載されており窓は人間の顔程度のサイズのものが4つ付けられています。記事によると、当面はNASAが主に利用することになるとしており将来的に許可を得てビゲロー・エアロスペースが目指していた一般人の宇宙旅行者が滞在できるホテルとしての利用を進めていくとのことです。

宇宙飛行士の輸送についてはビゲロー・エアロスペース公式サイトでも絵かがれているようにボーイングの宇宙船スターライナーもしくはスペースXのドラゴン2宇宙船により行われるそうです。

B330の外観(モックアップ)
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結局のところ国際宇宙ステーションの機能を引き継ぐアメリカが保有する新型宇宙ステーションという位置づけでほぼ間違いないと考えられるのですがこの計画が順調に進んだ場合、設計寿命を迎えつつある国際宇宙ステーションは2020年以降の早い時期に閉鎖という運命を辿りそうです。