ひとみ(アストロH)

2月17日、種子島宇宙センターから打ち上げられたX線天文衛星「ひとみ(アストロH)」について、JAXAによると打ち上げ後に送信された姿勢制御プログラムに誤りがあり回転を加速させる異常な姿勢制御を行った可能性があると発表しています。

国内の複数メディアによると今月15日JAXAが行った記者会見の内容として、打ち上げ後地上から送信されたプログラムの中に姿勢制御系内容があったものの誤りがあり、異常回転を停めるスラスターの動きが逆に回転を早める設定になっていたとしています。

X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の状況について(4月15日更新) | ファン!ファン!JAXA!
「ひとみ」トラブル、人為的ミスか…JAXA : 科学・IT : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

JAXAによると通信異常が発生するおよそ12時間前(3月26日午前4時10分頃)、『ひとみ』は星の位置から姿勢を判断するプログラムが動いていたものの何らかの原因で読み込みに失敗し、コンピュータはこれを「自身が回転しているためだ」と誤判断してしまいリアクションホイールという円盤を回転させる方法で姿勢制御を行いゆっくりと回転を始めたとしています。

JAXAによると衛星本体には回転速度が一定のしきい値を超えた場合、スラスタという小さいエンジンを燃焼させ回転を抑制する噴射を自動的に行うものの、実は打ち上げ後の2月中に送信された姿勢制御系プログラムに誤りがあり、回転を停める『逆噴射』の設定が回転方向に噴射するという『加速』の設定になっていたことが明らかになったとのことです。
これより本体の比較的弱いところが分離を始めたと考えられています。

米戦略軍統合宇宙運用センターによると、ひとみから分離しているのは11あまりパーツについて、2つについては比較的早く高度を下げているとして2016年4月29日と5月10日の大気圏再突入が予想されると発表しています。