『Proceedings of the National Academy of Sciences（PNAS）』誌に5月2日付けで発表された論文で、カナダ・トロント大学のキャサリン・デセレス准教授らは、あまりにも明白な不平等は、暴力の原因になる可能性があると論じている。その例のひとつが、飛行機のエコノミークラスとファーストクラスの乗客が接するときだ。

WIRED.jp

旅客機内で発生するこの手の事件や事案については外で報じられることはないのですが、トロント大学が行った暴言や暴行による乗務員や他の乗客を威嚇する「エア・レイジ（Air_rage）」の発生件数について過去数百万件に及ぶ旅客機やそのフライトデータ調査しました。

まず、ファーストクラスがない旅客機よりもファーストクラスがある旅客機はエア・レイジの発生確立は3.84倍高くなることがわかったそうです。また、旅客機や施設の関係上、乗客がファーストクラスの座席の横を通過し搭乗する場合、エコノミークラスにおけるエア・レイジは2.18倍、その条件でファーストクラスにおけるエア・レイジは11.86倍も高くなったとしています。 

このデータからはファーストクラスの乗客が問題を起こしていることは確実なのですが研究者によると「社会的に高い地位にある人が自分の地位を意識すると高慢な態度になり、思いやりが薄れる傾向がある」と分析しています。

ファーストクラスについては手続きカウンターが別に用意されている場合がほとんどで旅客機に乗る前からエコノミークラスとは質が異なっています。地位が高くなくても『ファーストクラス』に乗っているという“想像”をしただけでも傲慢な態度をとってしまいそうなのですが、この手の問題は旅客機以外でも様々な場面でまた無意識で発生しているのではないのでしょうか。