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最近はスマートフォンでも名前が知られている台湾の総合エレクトロニクスメーカー『ASUS』は同国で開催されたIT関連の大規模イベントでHDD等の取り外しが容易なモジュール式PCを発表しました。

Asusは5月21日、台湾で開催予定の「COMPUTEX TAIPEI 2016」に先駆けて、新しい形をしたデスクトップPC「Asus Avalon」を発表した。Asus Avalonは、IOインターフェース、パワーサプライなどを自由に交換することを可能にした、自作PCと完成品PCの中間に位置する新しい形式のデスクトップPCとなる。

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今回ASUSが目玉として発表したのは『ROG Avalon』というPCです。このPCはメーカーやPCショップが販売しているようなビルド・トゥ・オーダーPC(BTO PC)とも異なりパーツを組み合わせて個人が作るオリジナル自作PCの中間に位置する存在としているそうです。

一体どのような特徴があるのかという点について“柔軟な拡張性と拡張のしやすさ”を併せ持つPCというもので、例えば取り外しが面倒なHDDの場合ROG AvalonではPC正面から抜き差しが可能でメモリーも上部に設置されており交換がしやすくなっています。また3Dゲームに必要なグラフィックスカードは側面に配置されており簡単に取り外しすることができます。

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Photo:Game*Spark
HDDなどハードウェアの交換方法は取り付け位置が若干異なるだけで実はメーカー製もBTO PC、そして自作PCもすべて同じです。その理由はマザーボードがすべて規格化されており、そこに取り付けられるハードウェアつまりHDDやメモリー等は全世界で同じものが使われているためです。

一方でPCがほぼおなじ姿をしているのは規格化されているものを搭載する必要があるためであり、『ROG Avalon』が他のPCとは異なる方法を取れたのはマザーボードの形状を規格外のものを採用しているためです。

▼ROG Avalonのマザーボード
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▼一般的なデスクトップPCで使われる『ATX』という規格のマザーボード
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同社はこのマザーボードを「新しい規格として育てていきたい」などとしているものの、実際のところは相当厳しいという見かたが強いと考えられます。

そもそも自作PCユーザーであってもハードウェアの交換は頻繁に行っておらずPC内部を開くのは多くても月に1度程度です。当然メーカー製PCを使っている方は壊れない限りハードウェアの交換をする人はほとんどいません。また独自規格のものはPC本体を含め高価なものが多く、物好きな自作PCユーザーでもコストの面から考えてもこれを選ぶという人はほとんどいないと考えられます。