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第一次世界大戦後、ドイツは宇宙空間に巨大な反射鏡を設置し地上のありとあらゆるものを焼き付すくという世にも恐ろしい兵器の開発計画があったと報じられています。

ナチスドイツは他国を圧倒する科学技術力で様々な兵器を開発したことで知られているが、Redditを読んでいたら、ナチスは「Sun Gun(太陽砲)」という、衛星兵器の開発を構想していたということが紹介されていた。

BusinessNewsline
第二次世界大戦時、ドイツはその高い技術力と工業力で他国よりも一歩先を往く兵器類の開発が進められていました。1942年、A-4(V-2)ロケットで人類で初めて宇宙空間に人工物を打ち上げたドイツは1920年代末の構想から地上の都市を焼き付すく衛星兵器「Sun Gun(太陽砲)」の開発を進めていたそうです。

記事によると元となったのは1920年代末、ドイツの物理学者Hermann Oberth(ヘルマン・オーベルト)氏が構想した、軌道上に直径100mの反射鏡を設置しその光で地上を照らすというものでした。もちろんこれは平和的なものであり軍事利用するものではなかったと考えられるのですが、第二次世界大戦時ドイツは軍事転用することで宇宙から攻撃することができる衛星兵器として研究を開始したといいます。結果的に地上8,200kmに9,000平方メートルの反射鏡を設置するという案になりこれを50~100年かけて建造できるとしていたそうです。

▼Sun Gunの全体像。Sun Gunは有人宇宙ステーションの一部として運用が考えられていたそうです。
Sun Gun

人類が初めて宇宙空間に人工衛星を軌道に送り込んだのは1957年10月で重量はわずか93kgのスプートニクになります。そして戦後50年も経っていない1970年代には低軌道に118,000kgの質量を送り込めるサターンVロケット誕生しているのですが、仮にドイツが第二次世界大戦に勝利しロケット開発が進んでいたとすれば縦横約95m程度の反射鏡であれば運用できるのかは別として設置することはできていた可能性が高いと考えられます。

また宇宙に反射鏡を設置し地上を照らすという構想は実は旧ソ連も同じでエネルギアというサターンVを超えるロケットを使用しミラー衛星を10数基展開、北極圏を温め農業を始めるとする計画があったと言われています。結果的にソ連が崩壊し計画はキャンセルとなったものの1993年にはロシアが宇宙で直径20mの小型の反射鏡を展開する試験を実施しています。

▼ドイツが開発したV-2ロケット。最終的に3,500発あまりが連合国側に打ち込まれたとされています。
V-2

ドイツが開発した世界ではじめて実戦投入された弾道ミサイルV-2ロケットは現在まで続く宇宙開発にきわめて大きな影響を与えたのは間違いないのですがもちろんヘルマン・オーベルト氏自身もこの兵器開発に携わっており戦後はイタリアに渡り最終的にアメリカで軍事研究を行っています。