大抵の生き物であれば何でも食らいつくアリ。もちろん蝶も例外ではないのですがペルーのアマゾンに生息する蝶はなんとアリに襲われることがないという謎の生態が確認されたと報じられています。
数年前の蒸し暑い午後、ペルーアマゾンにいたフィル・トーレス氏は何かが動いたのを目に留めた。見ると、チェリースポット・メタルマーク・バタフライ(Adelotypa annulifera)が何本ものタケノコの先端に止まり、染み出る蜜を吸っていた。今回見つかったチェリースポット・メタルマーク・バタフライという種について、近寄ってきたアリに捕食されることなく蜜を吸い続けるという極めて特殊な生態確認されました。専門家によるとこのような例は前例がなく初めて確認されたとしています。
NATIONAL GEOGRAPHIC
記事によると、この蝶は小さいタケノコの先端から出る蜜を吸っているのですが、実はこの手のタケノコはアリの縄張りになっており例外なく他の虫を追っ払っているといいます。しかし、この蝶に限っては例外で『サシハリアリ』という極めて好戦的なアリでさえ捕食することはなく1時間以上もアリを無視して、また無視されて蜜を吸い続けていたとのことです。
▼タケノコの先端に群がる蝶とアリ
「素晴らしい。こんな現象は見たことがありません」と興奮を抑えきれない専門家なのですが、何故アリが蝶を襲わないのかは全く分からないといしてます。ただ、これまでもアリに捕食されない虫がいるとは確認されており自ら蜜を出すことでアリに吸わせ捕食者から守られているという種が確認されていました。実はチェリースポット・メタルマーク・バタフライの幼虫がそのような虫とのことです。
襲われない仮説としてチェリースポット・メタルマーク・バタフライの羽についた模様がアリの姿に似ており捕食されるのを回避している可能性、またアリに察知されない化学的な匂いを出している可能性があるとしているのですが「熱帯では何があっても不思議ではありません」と話しており今後、さらなる研究が進められることになるとのことです。