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古代に作られ今も残る遺跡。1000年前、2000年前に作られたものも数多くあるのですが、その中でも6000年前に作られたという巨石墓について天体観測を行なう装置だったという研究結果を報告しているそうです。

天文学者のチームが、ポルトガルの巨石墓が星の観察のために使われていた可能性があることを発見した。巨石墓は星の方角を示していただけでなく、薄明りのなかで星を観察しやすくする機能も備えていたという。

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重さ数百キロ~1トンはあると考えられる板状の石を複数枚合わせ枠が作られたポルトガルの遺跡について実は天体観測に使用されていた可能性が高いいう研究結果をイギリスの天文学チームが発表しているそうです。

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Photo:Nottingham Trent University

彼らによると、ポルトガルのカレガル・ド・サルにある遺跡について人を埋葬する墓室と外と墓室を繋ぐ長く狭い通路(羨道)から構成されているものの、墓の方向はおうし座で最も明るい星であるアルデバランにむけられ作られた可能性があるとして、この天体が1年のうちに最も早く出現する日を観測するためあえてこのような構造にしたのではないかというものです。

記事によると細長い羨道は中に入ることで暗闇に目を慣らすことができ肉眼による天体観測を行いやすく、その方角を向いていることか通常よりも早くアルデバランの出現に気づくことができたのではないかとしています。

アルデバランと6000年前のポルトガル地域における宗教に関してはどのような関連性があるのかは分からないものの、現存する幾つかの古墳は夜空の星や太陽の方角に合わせ設計されていたり内部にその模様が描かれているなど古代宗教の密接に関わりがあることが知られています。

アルデバランはオリオン座の右上にある1等星でサイズは太陽の約44倍。質量は2.5倍の赤色巨星です。占星術ではアルデバランは富と幸福の前兆となる幸運の星とされており、古代ペルシアでは紀元前3000年頃からアンタレス、フォーマルハウト、レグルスと並んで、ロイヤル・スター(王家の星)の1つとされていました。