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海王星のはるか外側、公転周期は実に700年という新たな準惑星『2015 RR245(仮名)』を発見したと報じられています。写真は準惑星を発見したカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡。

海王星より外側にある、氷でできた天体が集まるカイパーベルトと呼ばれる領域で、横幅700キロ弱の準惑星を新たに発見したと、天文学者らの研究チーム「太陽系外縁部起源探査(OSSOS)」が発表した。

7月10日に国際天文学連合(IAU)で「2015 RR245」と仮に命名されたこの星は、現在認定されている5つの準惑星、冥王星、エリス、ハウメア、マケマケ、ケレスよりも小さい。

NATIONAL GEOGRAPHIC
地球と太陽の距離のおよそ30~50倍の距離に広がるのは『エッジワース・カイパーベルト』という小惑星が密集するエリアです。冥王星が位置する軌道で冥王星を含め数十個の準惑星が見つかっているのですが今回見つかったの2015 RR245については詳細な大きさは分かっていないのですがこれまで見つかった準惑星の上位20位まではいるのではないかと予想されています。

▼2015 RR245の軌道(黄色)、水色は惑星の軌道で最も外側にあるのが海王星。
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研究チームはどのようにして2015 RR245を発見したのかというと、昔と同じように天体望遠鏡を使い全天を観測するというものです。天体望遠鏡で夜空を見上げ僅かに届く太陽の光が2015 RR245に反射し地球に届いた様子を観測するという極めて根気のいる作業となっており、太陽系が生まれて以来、誰も目にすることがなかった天体を初めて観測できるといいます。

2015 RR245については少なくとも1億年以上この軌道に留まっているとされており公転周期はおよそ700年、太陽に最も近づく時で海王星とほぼ同じ34AU(1AUは太陽と地球の平均距離)、太陽から最も離れたところ120AUという楕円軌道になっています。

また組成については他の準惑星と同じように揮発性の氷が広がる凍てついた世界にわずかな岩石があるような地表が広がっていると考えられています。氷といっても白や青という色ではなく窒素とメタンからできる「ソリン」と呼ばれる化合物が含まれている可能性が高く、色とりどりなっているとしています。

2015 RR245が太陽に最も近づく時期については2096年頃とされています。