image_28

先日、南シナ海の南沙諸島をめぐる裁判で中国側の主張は認められず全面敗訴という形になりました。この判決を受け中国では一部で関係する国の製品を不買運動を展開が始まっているのですが一部を除き国民は至って冷静な状態を保っているとのことです。

今月12日、南シナ海のほぼ全域を管轄するという中国の主張に対し、フィリピンが申し立てた仲裁裁判が行われフィリピンの主張が全面的に認められという判断が初めて示されました。これに関してはご存知のかたも多いように中国外務省の幹部は「判断は、紙くずであり無効だ」などと主張しており、日本を名指しし批判するなど国内の不満を他国に向けるといういつもの展開が始まっていました。

「日米韓比の製品ボイコット!」中国各地のケンタッキーで運... - Record China

そして国内では中国各地にあるケンタッキーフライドチキンなどの前で「日米韓比の製品ボイコット」を訴える活動も展開されているのですが、中国版ツイッターでは既に1万件近いコメントが投稿されているものの多くがボイコット運動を批判するものでそのようなコメントには高い評価を得ていたとしています。

image_29

RecordChinaによると財経網の記事として「いいね」というコメントを多く得ていたのは「ボイコットすべきは日米韓の製品ではなく愚か者」、「ケンタッキーがなくなったらどこで用を足せばいいんだ?(中国では店舗が多い)」、また中には「(ボイコットしているのは)明らかにある組織の差し金。黒幕をつかまえて裁け。ちょっとでも常識がある人なら、どこかの国の製品をボイコットするなんていうことが愚かな行為だとわかっているだろう」というものだったとしています。

他には「メディアはなぜ裏で糸を引いている者について報じない?」、「中国共産主義青年団はこの責任を取れるのか?」(中国共産主義青年団とは中国共産党による指導のもと14歳から28歳の若手エリート団員を擁する青年組織。中国共産党内の派閥の一つ)など、国が主導しているという政府批判の内容も多く予想外の展開になっていると考えられます。

image_27
Photo:聯合新聞網

今回の裁判結果について中国としては国民の反応を最も恐れている側面を見せており例えば判決が出る前日、7月11日の段階で北京市政府は市関連部門に通知を出し「戦時状態」の対応を求めていたことが明らかになっています。
具体的には仲裁裁判所の判決を受け中国では民衆の反発が予想されるとしており、民衆の過激な行為を監視し、情報収集や報告をこまめに行い突発性の事件が起きた際には秩序の維持と混乱の抑制を第一に考え動くよう指示するものだったとしています。(参考