シーウルフ級原子力潜水艦

アメリカの控訴裁判所は今月、米海軍の潜水艦が使用している長距離探知用の対潜ソナー、低周波ソナーについて法律に違反しているとして使用許可を取り消す判断を下していたことが明らかになりました。

BusinessNewslineによるとアメリカの複数の環境保護団体が環境保護関連法規に違反しているとして米海軍を訴えた裁判で、環境保護団体側の主張を認め主に潜水艦で使用されているという低周波ソナーの使用を取り消す判断が下されたとのことです。

米巡回裁判所、米海軍に対して低周波ソナーの使用許可を取り消し・低周波ソナーの使用は環境関連法に違反 - BusinessNewsline

今回問題となった低周波ソナーとは潜水艦から海中に装置を搭載した機器18基を放出し、低周波の音響使用し敵潜水艦を探しだすとうものなのですが、実はその音量が極めて大きく215dbの音波パルスを60秒間隔で発信するというものになっているそうです。215dbという音量に関してはロケット発射台付近が180dbでそれ以上の音ということになります。

米海軍における低周波ソナーについて2012年、アメリカ海洋漁業局(NMFS)から海洋における使用許可を得ていたものの控訴裁判所によると「海岸から14マイル以内で180db以上の音波は使用はしない」という条件付きの許可に関して「海洋乳類の生態を保護するには不十分」とし、環境保護関連法規に抵触しているとの判断されました。

低周波ソナーの使用に関しては特に近年クジラやイルカなどの謎の大量死や異常行動が確認されており海洋生物に影響を与えていたことが分かっていました。
この件に関して実は2013年の段階で米海軍もソナーによる影響だと公式に認めています。発表によると「軍の使用している高感度ソナーなどの影響で、多数のクジラやイルカたちが方向感覚を失い、体に傷を負い、脳内出血が起こる」としており、これまで重症を負った海洋哺乳類は1万頭を超えるとしていました。事実としてハワイ沖で低周波ソナーを使用した訓練が行われた際にはハワイ州の島々に海洋哺乳類が多くが座礁するなど被害が確認されていたとのことです。