チェルノブイリ

原発事故から30年が経過した現在も未だ人が住むことができないチェルノブイリ原子力発電所付近の広大な土地に関して、ウクライナ政府は世界最大規模の太陽光発電所を建設する方向で話が進んでいると報じられています。

ウクライナ政府が、1986年4月に起きたチェルノブイリ原発事故によって生じた広大な避難地域に、世界最大規模の太陽光発電所を建設する方向で、関連機関と交渉入りを開始したことが29日、The Guardianの報道で明らかとなった。

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炉心が吹き飛ぶという人類史上初めて大規模な放射能汚染を引き起こしたチェルノブイリ原発事故。事故後まもなく建屋はコンクリート覆われ、現在は『かまぼこ型』のシェルターで覆うことで1世紀は保たせる計画で工事が進んでいます。

事故後から30年が経過した現在、チェルノブイリ事故付近は住人らは家に戻る事ができず、当然作物も育てることはできず街全体が廃墟になっています。その面積は1000平方キロメートル。これは東京都のおよそ半部の面積に匹敵するのですが、未だに何も利用されていない広大な土地で太陽光発電を導入する計画をウクライナ政府が進めているそうです。

▼チェルノブイリ原発事故による放射性セシウム汚染。ベラルーシ共和国、ウクライナ、ロシアに広く拡散している
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ウクライナ政府によると国内は慢性的な電力不足に陥っており、一方でチェルノブイリ原発付近では誰も利用していない無人地帯があること、そして事故を起こした4号炉以外について3つの原子炉を稼働し続け電力不足を補っており2000年まで使用してた送電網が健在で太陽光発電で必要なインフラが整っていることが今回の案に繋がったとしています。

具体的に建設されるのかについては記事によると、欧州復興開発銀行(EBRD)に計画を打診したところ前向きな回答が得られたとしており、今後チェルノブイリ原発付近はその様子が一変する大規模な太陽光発電施設が建設される可能性もあるとのことです。