火星のガリー_5

地球以外で最も詳細な探査が行われている惑星『火星』。この天体に関して、山肌に水により侵食され作られたような渓谷が複数確認されているのですが、最新の研究によると液体の水により作られたのはないことがわかったとしています。

火星の渓谷や山肌で確認されているのは最近まで水が流れたのではないかと思ってしまう渓谷です。このスジのようにも見える渓谷は隣り合うものと一本になり、うねうねと曲がったのち途中で消えるという痕になっています。

これに関してアメリカ航空宇宙局(NASA)が行った火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)の研究結果によると、少なくとも地球のようにな液体の水やその副産物により作られたものではないと発表しているそうです。

火星の渓谷、実は「液体の水」が作ったものではない?:NASAが報告 | sorae.jp 

渓谷に関して正しくはガリー(Gully)と呼ばれており、火星の両半球の緯度30度〜50度に広く存在し北半球では北極に、南半球では南極に向けて伸びている特徴があります。ガリーはこれまで塩分濃度の高い液体が流れ形成されたのではないかとも言われていたのですが、MROの高性能カメラを使用しガリーが存在する100のエリアに関して化学分析を行った結果、そのような成分は観測されなかったとしています。

ガリーはいったいどのように作られたのでしょうか。

▼左は2010年11月、右は2013年5月に撮影されたガリーの写真
火星のガリー_1

NASAによるとガリーは火星の冬の時期に新たに作られる傾向があるとしており、原因は水ではないくドライアイスで冬に大きくなったドライアイスが崩れ滑り落ちることでこのような痕を残した可能性が高いと考えています。
火星に水は無いのかというとそうではなく、2015年9月29日に火星には現在も水が存在し、それが地表を流れているという決定的な証拠をみつけたとNASAは発表しています。
しかし、このような深い渓谷に関してはどうやらドライアイスにより作られたと考えられているそうです。

▼クレーターの縁から流れる水の痕跡
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以下はMROが撮影した火星のガリー
火星のガリー_2

火星のガリー_3

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