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よくわからない速度で太陽に向かっていったのはクロイツ群という巨大な彗星が砕けたことにより発生した小彗星です。彗星と太陽はどうなってしまったのか。今回は過去に大彗星となったクロイツ群についても簡単に紹介していきます。

広大な宇宙は静かで冷め切った世界ではなく、時にこんなダイナミックな天文ショーが起きます。太陽圏観測衛星(SOHO)は8月2日〜4日にかけて、太陽に猛烈なスピードで突入する彗星を撮影することに成功しました。

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太陽圏観測衛星により観測されたのは太陽系にやってくる彗星の中でも最速というクロイツ群彗星。この彗星は元々巨大彗星が太陽のそばを通り過ぎたことにより砕けたもので、直径にして数メートルのものを含む数百の彗星が800年周期で太陽のそばを通り過ぎます。

今回撮影されたのも数百のうちの1つなのですが、太陽に突入した速度はなんと秒速600km。時速に換算すると2,160,000km、マッハ1764という猛スピードです。

NASAによるとこの彗星は太陽には落下せず“かすめただけ”としており、現在は生き残ったものが800年という公転軌道上を移動していると説明しています。

クロイツ群彗星に関しては巨大な尾を出現させる大彗星となることが知られており1843年に出現したものでは夜空の50度の範囲に尾が伸びる様子が観測されています。また1965年に出現した池谷・関彗星に関しては昼間の空で簡単に見ることができたといい、その明るさはマイナズ17等。満月よりも明るいという大彗星になりました。

▼1843年に観測されたクロイツ群彗星の絵
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クロイツ群に関しては最後に明るく観測されたのは2011年のラブジョイ彗星でそれ以降は観測されていませんでした。

▼ラブジョイ彗星
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