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原子力発電所で生産されたエネルギーに関しては他の発電に比べ、もちろん再生可能エネルギーと比べた場合も安価であると言われているのですが、イギリス政府が行った調査によると2025年には風力発電による発電コストが原子力よりも下回るという調査結果が出ていたそうです。

現在、建設プロジェクトが進められているヒンクリーポイント原子力発電所C号機(Hinkley Point C nuclear power station)について、現状のまま再生可能エネルギーの発電コストの低下が続いた場合、2025年中にも再生エネルギーの発電コストは原発の発電コストを下回る状況となることが英政府による予測調査の結果から明らかとなった。

BusinessNewsline
イギリス大手『ガーディアン紙』が報じた内容としてイギリス政府が予測調査を行い未公表とするデータによると、オフショア型大型風力発電、つまり陸上に設けられた大型風力発電所について現在の推移で発電コストが下がり続けと仮定した場合、1MW/hあたりの発電コストは2025年の段階で50~75ポンド(約6,500~9,770円)の範囲に収まると予想されているそうです。
一方、同年における原子力発電所は85~125ポンド(11,000~16,200円)になったとしています。

イギリスは現在、フランスと中国による総工費240億ドル(約2兆4000億円)規模の原子力発電所建設プロジェクトの計画が進んでいるものの、メイ首相が土壇場で原子力発電所新設を見直すという意思決定を行い計画延期が承認されました。

この原発建設プロジェクトは調査が行われたヒンクリーポイント原子力発電所C号機(仏アレバ製の欧州加圧水型炉2基)のことなのですが、イギリス政府は稼働後35年にわたって電力の最低買取価格を保証するとしていたものの価格が高すぎるという批判が国内で上がっていたといいます。

原発と同じ規模の電力を風力発電所で作り出すには広大な面積が必要で設置できる場所も限られてくることから「原発よりも風力発電所のほうが優れる」とは言い切れません。ただ、イギリス側としてはこのような理由をつけて批判があったプロジェクトを廃案に持って行きたいという意図が見え隠れしている状態です。