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ドイツ軍によるとアメリカの航空機運用型の核兵器に関して改修されたモデルを運用するため自国のトーネード攻撃機の改修に着手すると発表しているそうです。

ドイツ軍(Bundeswehr)が米軍の核兵器近代化改修計画に合わせて、核攻撃能力の刷新事業に着手したことが15日、ドイツのDer Spiegel誌の報道で明らかとなった。

米軍は現在、B61(自由落下型核爆弾)の近代化改修版となるB61-12の生産準備を進めているが、Der Spiegel誌によると、ドイツ軍に関しても、米軍の核兵器近代化改修事業に合わせて保有するトーネード攻撃機にB61-12が搭載できるようにマガジンを改修する計画に着手したとしている。

BusinessNewsline
ドイツは現在、北大西洋条約機構(NATO)の核抑止における政策の1つである『ニュークリア・シェアリング』によりルクセンブルク近郊の基地に20発あまりのアメリカ製の自由落下型核爆弾『B61』を備蓄しています。

この核兵器はアメリカ軍により管理されているのですが1960年代に開発されたB61の複数タイプに関して延命計画としてアメリカでは1兆円を超える予算があてられており弾頭を整備し新品にしたり、精密誘導装置を取り付けるなど、最新の機種F-35などでも運用できるよう改修が行われることになりました。この改修されたモデルがB61-12というものです。

B61を運用できる航空機はアメリカで開発されたほとんどの爆撃機、戦闘攻撃機、またはF-22といった戦闘機やステルス戦闘機でイタリアとドイツ空軍が運用しているトーネード IDSにも搭載可能です。記事によるとB61-12は2020年から生産が開始され改修されたものはビューヒェル航空基地にトーネード IDSと共に配備されるとしています。(ただし核兵器関しては常備配備されるものではなく有事の際にアメリカから運び込まれるとも報じられています)



B61は爆発威力を調整できる威力可変型核兵器となっており、核出力は0.3-340キロトン(広島型原爆換算で0.3~22.6倍)。爆弾のサイズは直径33cm、長さ3.59m、重量は315~324kg。トーネード IDSは1968年にイギリス、西ドイツ、オランダ、イタリアにより共同開発計画が提唱され1974年に初飛行した天候型多用途攻撃機です。

▼B61-12(模擬弾)
B61-12