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イギリスを中心とした国際研究チームによると太陽系から最も近い恒星で知られるプキシマ・ケンタウリに地球とほぼ同じサイズの地球型惑星を発見したと発表しています。またこの惑星には地球と同じように水がある可能性があるとしています。(CGは想像図)

国内外の複数メディアによると、イギリスのクイーンメアリー校を中心とする国際研究チームが科学誌ネイチャーに掲載された論文で地球から最も近いプロキシマ・ケンタウリに地球型惑星を発見したと報じています。

New Planet Found Orbiting Proxima Centauri

記事によると、この研究は2000~2008年にかけ、また今年に入って2回の観測結果により確認されたとしており地球外惑星は『プロキシマ・ケンタウリb』として質量は地球のおよそ1.27倍です。恒星プロキシマ・ケンタウリからわずか720万km(太陽と水星の距離の1/8、地球との距離の1/20)を公転し、プロキシマ・ケンタウリを11日周期て公転する天体と考えられています。

この距離で水がある可能性が考えられるのは、プロキシマ・ケンタウリは太陽の1/10程度しか質量がない恒星であるため地球のように液体の水を維持することができる微妙な距離に位置になることが理由だとしています。

▼プロキシマ・ケンタウリbから見たプロキシマ・ケンタウリ(恒星)の想像図。奥に見える小さな2つの点はケンタウルス座α星とβ星(想像図)
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Photo:ESO/M. Kornmesser

これまで地球型惑星は数十個確認されているもののプロキシマ・ケンタウリは太陽系から4.22光年に位置する最も近い惑星系です。現在の技術では天体に探査機を飛ばしたとしても到達するのには7万3000年以上かかってしまうのですが、今後科学技術の発展次第では太陽系外惑星の最初の探査対象として最有力候補になると考えられます。

プロキシマ・ケンタウリは地球から見てケンタウルス座の方角に見え、南半球を中心に日本では沖縄の一部や小笠原諸島で観測できます。ただし、サイズが小さく11.05等級と海王星(7.9等級)よりも暗く見えるため私達が購入できるような天体望遠鏡でも観測は難しいものと考えられます。

▼ケンタウルス座α星およびb星とプロキシマ・ケンタウリの位置関係
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上記の想像図でも描かれているようにこの天体があるのはケンタウルス座α星を中心としたb星及びプロキシマ・ケンタウリからなる三重連星系です。つまりプロキシマ・ケンタウリbには3つの太陽があるということになります。ケンタウルス座α星とb星は互いの重力によりグルグルと回転しておりプロキシマ・ケンタウリはこの共通重心から0.2光年、地球と太陽との距離の13,000倍の位置を公転しています。公転周期は実に100万年です。

三重連星系は太陽系に近づいており25,000年後には3光年の距離まで接近するとのことです。