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スペースXの大規模な火星移住計画が発表されましたが今回はどのようなロケットの運用を目指すのか、エンジンや宇宙船など他のロケットと比較し紹介して行こうと思います。

インタープラネタリー・トランスポート・システムで運用されるロケットは2段で構成されており、第1弾は合計42機のラプターエンジンを燃焼させ上段を宇宙空間に送り込みます。この上段はスペースシャトルのように宇宙船本体にロケットエンジンが搭載されており6つの大型エンジンと3つのエンジンの計9基で構成されています。
(各ロケット、宇宙船には公式な名前はまだ付いていません)

▼宇宙船を含むロケット全体像
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▼第一弾を下から見た画像。丸いものは全てラプターエンジン
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▼宇宙船部分
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この計画を左右するであろうラプターエンジンに関してはこのようになっています。
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2015年2月、スペースXのCEOイーロン・マスク氏はラプターエンジンの出力は2,300 kN(目標値)と発表していたのですが公式発表によると海面推力は3050kN、真空推力は3500kNを予定しているようです。スペースXによるとエンジンのサイズはマーリン1Dとほぼ同じ寸法としておりコンパクトで大推力を発生させるエンジンとなっています。 

エンジン性能の比較として現在スペースXが運用しているファルコン9ロケットのメインエンジン『マーリン1Dエンジン』が1基あたり620kN、アポロ宇宙船を月に運んだサターンVのF-1ロケットエンジンが6700kN、スペースシャトルのSSMEは2279kNとなっています。(数値は海面推力)

ラプターエンジンの開発は既に始まっています
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ロケットの性能を比較する場合、国際宇宙ステーションが周回しているような低軌道(LEO、地上約500km)へどのくらいの質量を送り込むことができるのかという数値があります。この場合、日本が国際宇宙ステーションへ物資輸送に使用しているH-IIBの場合は19トン、ファルコン9が22.8トン、現在運用されている中で最大のデルタⅣヘビーが28.3トンです。また過去最大級の打ち上げ能力を有していたサターンVが135トンとなっているのですが、インタープラネタリー・トランスポート・システムのロケットに関してはサターンVの4.1倍、約550トンとなっています。(ただし再利用の打ち上げでは帰還時に使用する燃料の関係から300トンとされている)

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サターンVとの比較ではこのようになります。インタープラネタリー・トランスポート・システムは全長122m(111m)、幅12m(11m)で離陸時の推力は100MN超えの128MN(35MN)となります。(カッコ内はサターンVロケット)



火星までの飛行はこのようになります。

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まず、人が乗った宇宙船を打ち上げこのロケットを使用し燃料を積んだ補給船を打ち上げ軌道上でドッキング、補給した後火星へ向かいます。宇宙船はソーラーパネルを展開し、NASAの火星有人探査計画よりも50日以上早い80~150日で火星に到達します。

ラプターエンジンは液体メタンと液体酸素で燃焼させています。その為従来のエンジンよりも高出力で耐久性が高いなど様々な利点があります。またメタンは火星で現地調達が可能であるため燃料を補給し希望すれば地球へ帰還することも可能です。

以上がスペースXが構想している人類火星移住計画とインタープラネタリー・トランスポート・システムです。スペースXによるとインタープラネタリー・トランスポート・システムは木星や土星への周回飛行、エンケラドスやエウロパといった惑星への着陸も可能としており有人火星探査のみに使用されるものではないとしています。

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参考:SpaceX
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