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中国を代表する世界遺産『万里の長城』の一部で不適切な補修が行われたと報じられている問題に関して、このエリアを管轄している文化財局長は「自分には関係ない」などと責任逃れの発言を行っていることが明らかになりました。

2016年9月26日、新京報によると、遼寧省綏中県の万里の長城「錘子山長城」がコンクリートで無残な形に“修復”された問題について、修復計画は国家文物(文化財)局の専門家グループの審査を経て、国から1000万元(1億5000万円)余りの補助金が支出されており、審査もずさんだったことが分かった。遼寧省文物局長は「自分には関係ない」とコメントした。 

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今回新たに分かったこととして、記事にも書かれているとおり補修工事は中国国家文物局の補修に関連する専門家グループの審査が行われ必要な予算として1000万元(1億5000万円)が補助金として支給されていたといいます。しかし、この専門家グループの審査が極めてずさんだったことが明らかになりました。

また、遼寧省文物局は海外メディアに対し補修は「砂と石灰を混ぜた材料を使用した」とし「セメントは使用していない」と話していたもののセメント運んだと証言する多くの村人が現れ、余ったセメントが山中に放置され固まっていることも確認されておりセメントが使用されたことは間違いないとされています。

▼補修されていない小河口長城
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▼補修された小河口長城
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この問題に関しては遼寧省文物局のトップは丁輝(ディン・フイ)局長は「詳しいことは分からない。自分には関係ない」としておりコンクリート(セメントと砂利からできているもの)が使用された件に関しては「コンクリートが使われたかどうかは知らないが、そのような計画が許可されることは絶対にあり得ない」と説明しています。

では誰の指示でコンクリートが使用されたのか。日本でも同じような問題が毎日のように報じられていますがトップである長官が世界遺産文化の補修に関して「知らなかった」「自分には関係ない」では済まされる問題ではなく何らかの責任を取らされるのは間違いないと考えられます。


今回問題となっているのは中国の沿岸部、遼寧省にある万里の長城の一部『小河口長城』というものです。私達が想像する万里の長城とは異なり厚さも高さも小さい長城なのですが、長期間放置され草木が生い茂るなど荒れ果てた状態になっていました。

中国で文化財の全般の管理を担当している『中国国家文物局』が深刻な構造上の問題や洪水によって城壁がこれ以上の損害や崩壊を防ぐために緊急工事を行う必要があると判断し『遼寧省文物局』に補修工事を実施するよう命じていました。

万里の長城に関しては風力発電所の設置で破壊されている他、近くに住む住人が家を建てるなどの理由で長城のレンガを持ち去るなど今回の補修と同じレベルの問題行為が相次いで報告されています。