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アメリカの民間企業オービタルATK(旧オービタル・サイエンシズ)が運用するアンタレスロケットがバージニア州から打ち上げられました。現在搭載した国際宇宙ステーション行きのシグナス補給船は順調に飛行を続けており打ち上げは成功しました。

 オービタルATKは現地時間17日、ヴァージニア州東部海岸に位置するワロップス飛行施設からアンタレス230ロケットの打ち上げを実施し、これに成功したと発表しました。アンタレス230ロケットには国際宇宙ステーションへ物資を補給する無人船『シグナス補給船』が搭載されており数日後に食料や研究装置など計2300kgを送り届けます。

Liftoff for OA-5 Antares Rocket! | Orbital ATK



アンタレスロケット(アンタレス130)は今から2年前に打ち上げ後間もなくエンジンが不具合を起こして墜落、発射台上で爆発炎上していました。NASAによると原因は燃料を送り出すターボポンプが壊れたか何らかのデブリが混入したことで発生したと発表しているのですが爆発によりエンジンが破壊されており詳しい原因は分かっていません。

▼アンタレス130、AJ26-62
Antares 130 AJ26-62
▼アンタレス230、RD-181
Antares 230 RD-181

爆発したアンタレス130に搭載されていたのは旧ソ連が月面有人着陸計画で製造し使用されなかったエンジン「NK-33(НК-33)」です。40年間放置されたものを一部改良し使用したものが使用され、爆発事故以前より進められたエンジン載せ替えが案が進められこの2年間、開発と試験が進められていました。
新たに搭載されていたのは当時載せ替え案として有力視されていたRD-181(RD-191の輸出型モデル)という強力なロシア製のロケットエンジンで載せ替え前より推力が大きすぎるためエンジンの出力を調整し打ち上げが実施されたとしています。

アンタレス230は12月30日、来年6月12日と1回、さらに2018年にシグナス補給船の打ち上げが予定されています。