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先日、アメリカの国内線である乗客が意識を失いCAが医師を探してたものの黒人であることを理由に疑われ白人の医師が優先される出来事があったと報じられています。

ケガや病気はいつどこで襲ってくるかわかりません。そんな緊急事態が飛行機であった場合、機内にいる医者を探しすぐに治療を始めます。実際にその状況に出くわした人は少なくとも。そんなシチュエーションがあるとほとんどの人が知っていると思います。

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記事によると今回、この出来事があったと語っているのはアメリカのテキサス大学のヒューストン病院で産婦人科医として働く黒人女性のタミカ・クロスさんです。この日デトロイトで行われた結婚式の帰りのデルタ航空の国内線機内でクロスさんの2列前の男性が意識を失う出来事があったそうです。

これを見たクロスさんはCAらの様子を伺い手当に向かおうと立ち上がったところ、「一時的な症状で大丈夫だ」とCAからアナウンスがあったとのことです。しかししばらくしたところで「お客様の中に、お医者さんはいらっしゃいませんか?」と機内全体に呼び掛けるドクターコールが始まったそうです。

まるで映画やドラマのような展開なのですがこれを聞いたクロスさんが手を挙げたところ、近づいてきたCAに「あなたは手を下ろしておいて、本当の医者か看護師か医療関係者を探しているから、喋ってる暇はないわ」と告げられたと話しています。

その後、同じく医師が名乗りを上げ白人だった男性により手当が行われ、暫くしたところで身元が分かったのかクロスさんにも助けを求めてきたとしてます。

場所が場所だけにCAらも慌てていたのか、この手の教育は受けているであろう立場の人間であって対応を誤ってしまうことを考えると、少なくとも米国では白人と黒人の違いという潜在意識が根深く残っていると思わせる出来事となりました。

ちなみにデルタ航空によるとこのような問題が発生した場合必ず医師である証明を必要としており、提出できたのはクロスさんを含め3人のうち白人男性1人だけだったとしており対応に誤りはなかったとしています。

医師は必ずしも申し出ない

旭中央病院神経精神科の大塚祐司医師が2004年にアンケート形式で実施した医師(日本国内)の意識調査によると、旅客機内で医療関係者に協力を求める「ドクターコール」に応じるかどうかに関して、「応じる」と回答したのは41.8%となりました。残りは「その時にならないとわからない」が49%、「申し出ない」が7.5%となりました。(参考)

このような数値になった理由は手当した患者が死亡してしまった場合などのリスクあり、北米に比べ法律の面で保護されていないことが理由としています。