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イーロン・マスク氏率いるスペースXが2020年代に実現可能だと主張しているのは人類の火星移住です。超大型ロケットを開発しこれを実施すると先月末に発表されたばかりなのですが、今回は火星でどのよなことを行う必要があるのか本人から語られました。

スペースXによると2024年にインタープラネタリー・トランスポート・システム(ITS)という人類を火星に到達させるロケットで宇宙船「Heart of Gold(仮)」を打ち上げ2025年の有人火星着陸を目指しています。この宇宙船には最終的に100人あまりが搭乗できると主張しているのですが、最初の飛行では小規模になる予定でイーロン・マスク氏によると『最初の入植者は12人になる』と話しています。

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その上で、最初の入植者の仕事は「ロケット燃料工場の建設と燃料問題の解決だ」と話しており、帰還用燃料や現地で生きていくとための燃料を製造する必要が第一となるようです。宇宙船『Heart of Gold』に使用されている燃料は液体メタンと液体酸素で、これらは火星の大気(二酸化炭素)や水から作るとしています。

また彼らが生活する拠点は「カーボンファイバーの枠組みとガラス窓を使って火星上に複数のジオデシック・ドームを建設する」としています。これは空想科学で描かれるような地上設置型の半球状の建造物で、ガラスとカーボンファイバーの骨組みにより作られます。また、空気が漏れない地下空間を半自動ロボットで掘削することで活動拠点を拡大するとしています。


いつの時代も宇宙開発を左右するロケットなのですが、インタープラネタリー・トランスポート・システム(ITS)は実現可能なのでしょうか。イーロン・マスク氏によると、重力加速度を地球上で使用する5Gから4倍の20Gに引き上げ安全を確保するとしています。
またエンジンに用いる素材は従来の合金では性能不足だとしており高温の酸素が300気圧という高圧になる環境でも燃えてしまわない新合金が必要だとしています。

イーロン・マスク氏及びスペースXが提唱した火星人類移住計画に関しては、ロケットの打ち上げの前に火星に安全に着地する方法や生命維持に必要不可欠な酸素や水を作り出す試験装置が今後火星に送り込まれるとしています。これらが全て順調に稼働した場合『最短で2024年の打ち上げ』ということになるのですが、試験装置を送り込むファルコンヘビーロケットすらもまだ開発中であり、火星移住計画は解決する問題が数多く残っているという印象を受けます。