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今年10月に海軍に引き渡された就役した最新鋭のミサイル駆逐艦『ズムウォルト級ミサイル駆逐艦』に関して、2つの砲塔で使用する砲弾が1発1億円という高価なものになっており購入計画が難航していると報じられています。

先月、就役となったUS Navyの最新鋭艦「USS Zumwalt (DDG-1000)」(ズムウォルト )に関して、搭載されている2基の主砲となる「155mm Advanced Gun System」の砲弾コストが高すぎて、主砲の運用に支障が生じていることが判った。USN系の外郭団体「US Naval Institute」の調べで明らかとなったものとなる。

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先月就役したズムウォルト級ミサイル駆逐艦に関して、この艦艇は近年のミサイル駆逐艦には搭載されていなかった大口径の砲塔が2門搭載している特徴があります。これは『AGS 62口径155mm単装砲』というものでこの口径で第二次世界大戦時の大和に搭載されていた400cm砲と同程度の射程から、100kmを軽く超える射程の砲弾まで扱えるというものになっています。
今回問題になっているのは射程が100kmを超える砲弾で、なんと1発あたり1億円というとんでもない価格になっていることがわかったと報じられています。



問題の砲弾Long Range Land Attack Projectile (LRLAP) と呼ばれているもので、厳密に言えばロケット推進を採用したミサイルとなっており砲塔から射出後、ミサイルのような翼を展開しGPS等により誘導され精密な砲撃を行うというものです。
米海軍ではこれまで合計で2000発のLRLAPの購入を行うと方針をしめしていたものの、調達コストが1発あたり80~100万ドル(8400万円から1億円)になると言われており、現在は90発だけを購入しこれ以降LRLAPは使用しないという方向で運用することが考えられているとしています。

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AGS 62口径155mm単装砲はこのような誘導砲弾から無誘導の砲弾を運用できる艦載砲なのですが、今後は過去に構想されていたという射程40~50km程度の無誘導もしくは誘導砲弾の運用に切り替えつつ、将来搭載を目指し開発が続けられている初速9000m/s、射程370kmの次世代兵器『電磁レールガン』の搭載を目指すものと考えられます。


マイナビニュースによると、軍で運用されている兵器に関してハープーンと呼ばれる射程120kmの対艦ミサイルが1発1億2000万円、トマホークが5700万円から1億4500万円、SM-3という特殊な弾道弾迎撃ミサイルは1発20億円程度とされています。(参考)