海稲86_1

私達が普段口にしているお米は淡水により育てられているのですが、中国では海水でも育つことができる新品種が開発されています。今回試験が行われたのは『海稲86』という稲です。

武漢海水稲生物技術研究院がこのほど発表した情報によると、沿岸部の砂浜やアルカリ性土壌で栽培可能な稲の新品種「海稲86」の試験が成功し、0.06ヘクタール当たりの生産量が平均150キロ以上に達した。海水稲は、沿岸部の砂浜の海水の中で栽培可能な稲だ。中央テレビ網が伝えた。 

Record China
耐塩性稲の品種開発に成功した武漢海水稲生物技術研究院によると、今回の試験は中国北部の吉林省、中部の山東省、そして南部に位置する広東省でそれぞれ試験されたもので、最大の特徴は海水を含むアルカリ性の土壌でも育つというものです。

海稲86

記事によると、収穫された海稲86は“浜辺”でも育つとしており、背の高さは日本で見られる稲の2倍ほどある1.8~2.3m(アルカリ性の土壌では1.4~1.5m)で、特徴的な小豆色の種子を付けるといいます。この色に関してはセレンという人体に必要な元素が多く含まれているためで、通常のお米の7.2倍も含まれているとのことです。またアミノ酸も4.7倍ほど多く含まれるとしています。


植物のそのほとんどは淡水で育てられているものの、海外では灌漑(かんがい)開発により塩分を多く含む地下水が上昇したことで塩害農地になり通常の植物が一切育たない土壌になる例が報告されています。このような海水でも育つことができる植物が増えれば世界の灌漑農地面積を50%も増やすことができる(参考)ともいわれており、本来は農業に適さない地域でも収穫でき世界の食糧自給率を底上げすることができるとも言われています。