中華料理

連日深刻な大気汚染に見舞われている中国。特に沿岸部の広い範囲が毒霧に覆われるという規模となっているのですが、中国当局は大気汚染から身を守るための常識として『13項目の常識』という発表を行なったのですが、ツッコミどころが多いと中国でも話題になっているといいます。

2017年1月9日、市民がスモッグから身を守るための常識として、北京市衛生計画出産委員会と市疾病予防センターが「13項目の常識」を発表した。中国中央テレビのニュースサイトが伝えた。 

Record China
中国当局により製作された大気汚染から身を守る「13項目の常識」。具体的にどのような項目について書かれているのかに関して、記事によると『スモッグとは何か』『健康への影響』などこの手ものにありがちなことが書かれているといいます。

ただ、その内容の中に一般家庭におけるPM2.5の発生もかかれており、当局によると「油を多く使う炒め物や揚げ物をすると、換気扇を使ってもPM2.5濃度は1立方メートル当たり800マイクログラムという高い数値となり、屋内にも拡散する」とし、「大気汚染が深刻な期間はできるだけPM2.5濃度が変化しにくい煮物や蒸し物にする」という内容がわざわざ書かれていたといいます。

炒め物におけるPM2.5に関しては中国では少なくも2013年の段階で同様のことを主張しています。
これは中国栄養協会理事の範志紅氏が「都市の巨大化により、中国人の習慣的な調理が、PM2.5の濃度上昇に一定の影響を与えている」などと発言したものです。実際に『蒸す・煮る・揚げる・炒める』の4つの調理方法を実験を行いそれぞれでPM2.5の濃度を測定したところ『揚げる・炒める』ではPM2.5の濃度が20倍以上になったとし、この物質が人体に入ることで肺がんや胃がんの発症リスクが増加するとしていました。

今回の発表は2013年の内容に沿ったものと考えられるのですが、仮にこの説が正しいのであれば女性は男性よりも肺がんの発症率が高くなる傾向が全世界で共通していなければなりません。しかし、日本における肺がんの発症率は女性よりも男性の方が多く、その理由は調理ではなく喫煙率によるものと考えられています。

なぜこのようなものが発表されるのかは不明なのですが、中国では大気汚染を社会的災害つまり公害ではなく大雨、大雪、寒波、強風と同じく自然由来の『気象災害』に分類してます。つまり大気汚染を解消できないのは政策等の誤りではなく環境や国民生活、文化や習慣にも問題にあるとすることで批判をかわすという単純な理由から来ていると考えられます。