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2016年11月頃に報じられた、カナダ北部に位置する海峡で謎の音響が響き渡っている現象に関して、カナダ海軍が調査を行うなどしているものの未だに原因は不明だとしています。

【1月20日 AFP】海洋動物の鳴き声か、外国の潜水艦か、それとも幻聴なのか──北極圏に位置するカナダ北東部の沖合で、海底から複数回にわたり奇妙な音が確認され、地元住民を困惑させている。

AFPBB News
フューリー・ヘクラ海峡
▲フューリー・ヘクラ海峡の位置(星マーク)

原因不明の音響はカナダ北東部に位置する都市イグルーリクの北西約120km、フューリー・ヘクラ海峡付近で発生しているというもので昨年末から現在も不定期に鳴り響いているといいます。

初めて報じられたのは昨年11月末で、謎の音響が響き渡っているとしてカナダ海軍は対潜哨戒機を出動させたものの異音は確認できなかったとしています。ただ、音響自体はカナダ軍は認識しているとして今月19日には音響の専門家と共同で調査を行うなど原因究明を継続しているとしています。

カナダ軍による調査から潜水艦は付近に潜んでいないと考えられているのか、「潜水艦が原因とは考えにくい」としている一方で、人工的な音響の発生の可能性もあるとして調査が行われているとしています。

この音響はどのような音なのか、視察に訪れた議員によると「海底から聞こえ」また大きかったと話しており、記事では繰り返し定期的な音出す『ビープ音』だったと表現しています。他には「海鳴り」「信号」といった表現をする者もいるとのことです。

低周波音『Hum』

今回報じられたカナダの音響がどのようなものなのかは不明なのですが、実は世界中で観測されているという低周波音「Hum」というものが存在します。この音に関しては数ヶ月鳴り響き数ヶ月鳴り止んだと思ったらまだ音が鳴り響くというものです。

音の周波数は3Hz~30Hzで聴こえる人と聴こえない人がいます。そのため発生元に関しては海底に敷設されたパイプラインや電波塔、風力発電所、潜水艦の低周波通信、またはクジラといった海洋生物が出してのではないかと言われていました。

この音に関して2015年にフランス国立科学研究センターは「海洋の波の圧力が海底に作用することで地球全体に微小地震活動が生じたことで発生している」と結論づけています。