falcon9

アメリカの民間宇宙開発ベンチャー、スペースXはこれまで打ち上げに使用してきたファルコン9フルスラストロケットの性能をさらに高めたファルコン9Block 5(ブロック5)の打ち上げを来月以降に実施すると報じられています。

SpaceXは、Falcon 9シリーズ最大の「Falcon 9 Block 5」の打ち上げを1月30日以降に実施することを発表しました。Block 5は、EchoStar 23を搭載して、フロリダ州Kennedy Space Centerの LC-39Aで行われる予定となっています。

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今年2月以降に打ち上げを実施する予定のスペースXのロケット『ファルコン9ブロック5』は記事にも書かれているようにブロック3及び4という従来のファルコン9に比べ打ち上げ能力向上や着陸能力を搭載した型よりもさらに能力を向上させたタイプになります。

具体的な性能はまだ明らかになっていないものの、第一弾目のエンジンはこれまで打ち上げに使用されていたファルコン9フルスラスト(以下:FT)のエンジン、マーリン1D+をマーリン1D++に交換し従来通り9基にて行います。また2段目も性能を向上させたマーリン1Dバキューム++を1基搭載しているとされています。これにより他一段目の推力は海面で8451kNとなり前モデルより844kN増強しています。(2段目は不明)

打ち上げ能力に関しても不明なのですが、ファルコン9FTが低軌道へ最大22.8トンとなっていることからファルコン9ブロック5に関しては予想では26トン程度かそれ以上の能力があるものと考えられます。

またブロック5ではFTで搭載していた4本の着陸装置に関しても強化され、第一段目ロケットを地上に返し再整備、再度打ち上げるという再利用回数も10回程度を見込んでいるとしています。

▼ファルコン9FTの打ち上げ映像


ファルコン9ロケットの性能は日本で現在運用されているH2AやH-IIBよりも打ち上げ能力が高くさらに安価なロケットとして知られています。 比較として打ち上げ費用はH2Aが1基あたり約100億円、H2Bが約140億円と言われているなか、ファルコン9FTロケットはわずか70億円程度です。また打ち上げ能力も低軌道で比較するとH2Aが15トン、H-IIBが19トンとなっているもののファルコン9FTでは22.8トンとなっており日本を含む他国のロケットはコストパフォーマンスが極めて悪いという状況に晒されています。