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太陽系から数光年離れたところに探査機を送る技術は確率されていないものの近い将来新技術により可能となる見方があります。しかし、飛行速度が速度が早くなりすぎ観測時間が極端に短くなってしまう欠点があったのですが、これを解消する方法はあるのでしょうか。

「プロキシマ・ケンタウリ」という太陽系から最も近い恒星の周りを回る、地球サイズの惑星が見つかったのはほんの数カ月前のこと。今回、ある天体物理学者のチームが、この系外惑星に探査機を送り込んで長期間観測を行う方法を提唱し、宇宙物理学の学術誌『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ(Astrophysical Journal Letters)』に論文を発表した。

NATIONAL GEOGRAPHIC
観測技術の向上により私達の太陽系の外でも地球のような惑星を従える惑星系を数多く発見しています。これらは地上または地球付近の宇宙から観測された結果となっているのですが、仮に太陽系外惑星に探査機を飛ばし直接観測しようとした場合どのような方法があるのでしょうか。

現在、地球から4光年あまり離れた地球から最も近い恒星プロキシマ・ケンタウリを公転する惑星に探査機を送り込む方法として出力100ギガワットのレーザー照射装置『Light Beame』を使用し超小型探査機を光速の20%程度の速度に急加速、20年後に到達させるという「ブレイクスルー・スターショット計画」(参考)があります。しかし、減速することができずわずか数分で惑星を通過しまうことから、写真であれば数枚撮影して終わりという問題が発生します。

▼ブレイクスルー・スターショット計画


記事によるとこの問題を解消するために巨大な帆を展開させることで恒星プロキシマ・ケンタウリの光子を利用し減速する案を提唱しています。合わせて太陽系からの『出発』に関しても太陽の光子を使い加速させる方法でゆっくり飛行させる必要があるとしています。ただしデメリットとしては天体に到達するのに150年あまりの歳月がかかってしまうという問題があるとのことです。

「ブレイクスルー・スターショット計画」では探査機を加速させる強力なレーザーが開発されておらず、後者の案に関してもサッカー場14面の大きさのある超軽量な『帆』を必要としておりこれも開発されていない問題があります。

ケンタウルス座アルファ星

この計画で探査機を送り込もうとしているのは地球から見てケンタウルス座にある『ケンタウルス座アルファ星』という恒星系です。この恒星系には『恒星ケンタウルス座α星』と『b星』がダンスをするように一定の距離をグルグルと回転していおり、その共通の重心をケンタウルス座α星C(プロキシマ・ケンタウリ)という恒星(赤色矮星)が公転しているという三重連系です。
このプロキシマ・ケンタウリには2016年、地球質量の1.3倍という岩石惑星『プロキシマ・ケンタウリb』が存在していることが確認されています。

▼プロキシマ・ケンタウリbから見た想像図。手前の恒星がプロキシマ・ケンタウリ。中央の小さい2つの点がケンタウルス座α星とb星
プロキシマ・ケンタウリb