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ステルス戦闘攻撃機F-35シリーズのうち、主に空母で運用される艦載型F-35Cに関して翼にミサイルを搭載した場合、発生する空力荷重により主翼構造が耐えられないという不具合が見つかったと報じられています。

空母艦載機版のF-35Cに関して、AIM-9Xを搭載した飛行試験の結果、当該ミサイルを主翼の先端に取り付ける方法を採用した場合、ミサイルが取りつけらたことによって生じる空力加重が主翼の設計上の耐久加重を上回る可能性が生じることがF-35 Program Officeが公開した資料に基づくAviation Weekの記事で明らかとなった。

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敵機を撃ち落とす空対空ミサイルから地上を攻撃できる誘導爆弾まで様々な兵器を運用できるF-35。同機はステルス性を高めるため機内にミサイル等を搭載できるものの、より多くの兵器を運用するため翼に設けられた装置に機外搭載することができます。

▼翼先端にAIM-9X(模擬弾?)を搭載したF-35C
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今回報じられたのは、F-35の場合は機外搭載することしかできないAIM-9X(サイドワインダー)という空対空ミサイルです。F-35Cは主翼先端に搭載する仕様になっているものの実際にミサイルを搭載し旋回飛行した場合、発生する空力荷重により翼が破損する可能性があると報じられています。

記事によるとミサイルを搭載した状態で急旋回などの飛行操作を行った場合、主翼先端部分の構造が耐えられないとしています。またこの問題に対して製造元のロッキード・マーティンは既に再設計は終えているとしており生産されたF-35C 30機あまりは主翼先端部分を取り替えることで対応する予定だとしています。
F-35Cに関しては他のF-35AやBと異なり翼先端が折りたためる構造が採用されているため一体型の主翼とは異なり構造的には強くはないと考えられます。

▼AIM-9X
AIM-9X

2013年アメリカの航空専門誌が報じた内容として旋回時の荷重制限を5.3Gから4.6G(F-35Cに関しては5.1Gから5.0G)とし飛行性能の下方修正が実施されています。