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中国で最も有名な建造物といえばユネスコの世界遺産に登録されている『万里の長城』です。長城保護条例から10年が経過した現在、元の形とは大きく異る姿に修復された長城があるなど問題が発生しています。今回は破壊された長城と長城修復の現場を紹介していきます。

中国で2006年12月1日に施行されたのは長城保護条例です。これは当時の温家宝国務院総理により署名されされたもので現在崩壊しつつある長城を保護し修復、維持する目的があります。この条例では団体や個人が長城付近で工事を行なったり管理されていない長城であっても登ったりという行為が全てが禁止されることとなりました。

施行後、複数ある長城では保護に向けた修復工事が実施され現在も工事は続いているのですが、一方で明らかに雑な修復が行われている様子も伝えられています。2016年9月に報じられたのは遼寧省の『小河口長城』という万里の長城の一部で、2012年より行われた工事では明らかに元の姿とは異なる修復が行われてしまいました。

▼工事が実施されなかった小河口長城
小河口長城_1

▼修復された小河口長城
小河口長城_2

長城の修復はどのような基準で行われるのか調べてみると長城保護条例では『修復は科学的な計画と元の状態を維持する原則に基づいてのみ行われる』としており、元の状態(建設された当時)を維持する修復を行わなければならないとしています。

困難な修復作業

長城の修復

こちらは秦皇島市板場峪長城2期修復工事の現場という写真です。長城によっては重機が入れないところがあり建設された当時と同じように動物や人の手による作業を強いられることがあります。

▼秦皇島市板場峪長城。左上は修復中、左下が修復後の様子
長城の修復_1

一方で長城保護条例は国民にはほとんど知られていないと考えられ2015年には長城の見張り台『沿字3号台』という国宝級文化財の近くに映画のセットが建設され、あろうことか撮影が終了しても撤去されず放置するという行為が確認されています。

また現代、長城が壊されている理由として挙げられるのは人による破壊です。実は長城に使われているレンガを勝手に持ち出し家を建てる住人がいるなどの行為も確認されている他、2010年末には万里の長城で最古とされている「楚長城」が風力発電所の建設で2kmにわたり破壊されるという行為も確認されています。
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